復職に悩んでいるママ薬剤師さん、こんにちは!
結婚出産育児で10年プラスαのブランクを乗り越え、薬局復帰を果たしたみのりママと申します。
ブランクが長いと復職はかなり不安ですよね。
この薬局復帰おさらい帳「皮膚科編」第9回では、
皮膚科処方数ランキング(個人の主観です)から、最後の
- 尋常性疣贅(いぼ)
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
この2つの疾患を復習します。
掌蹠膿疱症は、この10年で「塗り薬と内服で我慢する病気」から「注射で完解を目指せる病気」へと劇的な進化を遂げました。
現場で「この人、なんでこの薬が出ているの?」と迷わないよう、ツボを押さえて解説しますね。
これさえ読めば、自信を持って服薬指導に立てますよ!
尋常性疣贅(いぼ)
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
今日の学びで、「皮膚科の処方箋が怖くない」状態を一緒に目指しましょう!
この知識があれば、迷っていた求人にも自信を持って応募できるはずです。
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復習を始める前に!最短で復帰するための行動プラン
皮膚科の門前薬局に応募は済ませましたか?
最短で復職を果たすには、「期限」を設定することが大切です。
まずは、気になる皮膚科科門前薬局の求人に応募し、面接日を1〜2週間後に設定しましょう。
このゴール設定が、あなたのやる気をキープさせ、効率よく学べるようにしてくれますよ。
まだ応募をしていないなら、この勢いで気になる求人に応募してみましょう。
疾患別の病態・治療指針と処方意図
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい:いぼ)
- 病態:
- ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染による。
- 小さな傷口からウイルスが入り込み、皮膚の細胞を異常増殖。
- 治療指針:
- 液体窒素による冷凍凝固療法が今も「主役」
- 痛みが強く完治まで時間がかかる
- 外用薬や内服薬で「ウイルスの増殖を阻害」し、「免疫力を高めて追い出す」治療。
- 処方意図:
- 「ウイルスを剥がす(サリチル酸)」+「免疫で戦う(ヨクイニン)」
- 10年前と基本は変わりませんが、なかなか治らないケースへの補助療法(シメチジンなど)が整理されている。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- 病態:
- 手のひらや足の裏に、無菌性の膿(膿疱)が繰り返しできる
- 炎症が強いと関節痛(胸鎖肋関節症など)を伴う。
- 10年前との違い:
- 以前は「原因不明の難病」という印象
- 現在は「喫煙」、「扁桃炎・虫歯などの病巣感染」との関わりが非常に強く指摘。
- 処方意図:
- 「炎症を抑える(ステロイド)」+「角化を整える(ビタミンD3)」
- 重症者には「生物学的製剤(トレムフィア)」という選択肢が加わったのが最大の変化
処方薬の解説:用法用量・監査・指導のポイント
薬剤師が特に意識すべき「この薬の役割」をまとめました。
尋常性疣贅(いぼ)の治療薬
いぼの治療は「外から剥がす」と「中から追い出す」の合わせ技です。
| 薬剤名(商品名) | 成分・分類 | 用法・用量 | 監査・服薬指導のポイント |
| ヨクイニンエキス錠 | ハトムギ由来(生薬) | 1回6錠 1日3回 (1日18錠) | 【監査】とにかく錠数が多い。 18錠分包か確認。 飲み忘れが多い ライフスタイルに合わせた服用を提案。 |
| スピール膏 | サリチル酸 (角質剥離剤) | 2〜5日ごとに 貼り替え | 【指導】いぼの大きさに切って貼る。 健康な皮膚まで白くふやけて痛む 患部にジャストサイズで貼るよう伝える。 |
| サリチル酸ワセリン | サリチル酸 | 1日1〜数回 | 【指導】周囲の健康な皮膚に保護用のワセリンを 塗ってから、患部にピンポイントで塗ると トラブルが少ない。 |
| シメチジン | H2ブロッカー(胃薬) | 1日2〜3回 | 【監査】他科の胃薬との重複に注意。 免疫調整作用を期待した適応外使用 |
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の治療薬
10年前よりも「配合剤」と「最新の注射」の存在感が圧倒的に増しています。
| 薬剤名(商品名) | 成分・分類 | 用法・用量 | 監査・服薬指導のポイント |
| マーデュオックス ドボベット | ステロイド(VS) +ビタミンD3 | 1日1回 | 【10年前との違い】 かつての「練り合わせ」が1本に。 非常に強力なステロイドが入っている 漫然と広範囲に塗らないよう指導。 |
| ビオチン散 | ビタミンH(ビタミン剤) | 1日3回 | 【指導】「ビオチン療法」として 整腸剤(ミヤBM等)やVCとセットで 出ることが多い。 生卵の白身がビオチンの吸収を妨げるため、 食べ方に注意。 |
| チガソン | エトレチナート(V.A誘導体) | 1日10〜25mg | 【最重要】 2年間の避妊(女) 6ヶ月の避妊(男) 献血禁止を必ず再確認。 食後服用で吸収率アップ。 |
| トレムフィア | グセルクマブ(生物学的製剤) | 8週に1回(皮下注) | 【最新*既存治療で無効な重症例に使用。 感染症リスクの確認 高額療養費制度の案内が必要。 |
- トレムフィア(グセルクマブ)
- 役割:
- 炎症の元凶である「IL-23」をピンポイントでブロック。
- 変化:
- 何年も治らず、歩くのも痛かった患者さんが「全く症状がない」状態まで改善。
- 薬剤師の役割:
- 非常に高価。
- 重症度を理解し、自己注射などの場合はサポート。
- 役割:
- ビオチン療法
- 自費診療(保険適応がない)
- 掌蹠膿疱症患者はビオチンが不足している
- ビオチンだけを飲んでも、腸内細菌に横取りされてしまって効かない
- 3剤セットでビオチンの吸収を高める
- 即効性はない。6か月程度は継続
- 臨床検査に干渉する可能性あり
- ニコチンがビオチンの吸収を阻害する。禁煙
- 検査予定あれば、併用薬を伝えて相談
| 薬剤名(商品名) | 規格 | 1回の用量 | 1日の合計 | 役割・監査のポイント |
| ビオチン錠0.5mg (または分包された散剤) | 0.5mg / 錠 | 2錠 | 6錠 (3mg) | 主役。 散剤の場合は「0.2%散を0.5g(1包)」で 1回1mgの処方も多い。 |
| ミヤBM錠 | 1錠 | 1錠 | 3錠 | 腸内環境。 酪酸菌がビオチンの「横取り」を防ぎ、 生産を助ける。 |
| シナール配合錠 | 1錠 | 1錠 ハイシー顆粒では 1~2包 | 3錠 | サポート。 ビタミンCとパントテン酸の配合剤。 吸収とコラーゲン合成を助ける。 |
医師の「処方意図」を読み解くヒント
- 「ヨクイニンが大量に出た」
- いぼのウイルスを免疫で追い出そうとする処方。
- 「お肌のターンオーバーを応援して、バイキン(ウイルス)を追い出すお薬ですよ」とポジティブに伝える。
- 「マーデュオックスとビオチン(散剤)が出た」
- 掌蹠膿疱症の定番処方。
- ビオチン療法(ビオチン+整腸剤+ビタミンC)は、依然として補助療法として根強い人気があり。
服薬指導・生活上の注意:患者さんに伝えたいこと
ママ薬剤師さんの「共感力」が発揮される場面です。
尋常性疣贅(いぼ)の患者さんへ
- 「うつさない、広げない」
- 「いぼはウイルスなので、自分で触って他の場所に広げてしまうことがあります。気になってもいじらず、家族とタオルは別々にしましょう。」
- 「根気強く!」
- 「いぼの治療は『焦らず、根気よく』が一番の近道です。ヨクイニンは即効性はありませんが、じわじわ効いてきますよ。」
掌蹠膿疱症の患者さんへ
- 「禁煙が一番の特効薬」
- 「この病気はタバコとの関連が非常に深いです。お薬を塗るのと同時に、少しずつ本数を減らすことが完治への一番の近道だと言われています。」
- 「膿はうつりません」
- 「見た目は膿んでいますが、中身はバイキンではないので人にはうつりません。安心してくださいね。」
皮膚科での薬局復帰におすすめの本
面接をクリアして、皮膚科に復職が決まったら、専門書でさらに詳しい知識を付けましょう。
書籍を使ったおすすめの勉強法は、簡単なものから先に読んでいくことです。
読む順番は
- 一般向けの簡単なもの
- 薬剤師向けの本
- 医師向けの専門書
この順で読んでいくことで、次のように効率的に理解が進みます。
- 患者さんの不安や疑問、分かりやすい表現を知る
- 詳しい薬剤知識と服薬指導のポイントを頭に入れる
- 医師の処方意図や病院での処置について知る
皮膚科に関しては一般向けのおすすめはみつかりませんでした。
薬剤師向けから読み始めましょう。
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まとめ
いぼ(尋常性疣贅):
- 液体窒素が主役。
- ヨクイニンは多め・長め。
- サリチル酸はピンポイントで塗る。
掌蹠膿疱症:
- 喫煙が最大の増悪因子(指導のポイント)。
- 外用はステロイド+VD3配合剤(マーデュオックス等)が主流。
- 重症例には最新の注射薬(トレムフィア)という選択肢がある。
10年前との違い:
- 掌蹠膿疱症への生物学的製剤の適応拡大。
- 原因検索(扁桃腺や歯科治療)の重視。
尋常性疣贅
| 薬剤名(商品名) | 成分・分類 | 用法・用量 | 監査・服薬指導のポイント |
| ヨクイニンエキス錠 | ハトムギ由来(生薬) | 1回6錠 1日3回 (1日9~ 18錠) | 【監査】とにかく錠数が多い。 18錠分包か確認。 飲み忘れが多い ライフスタイルに合わせた服用を提案。 |
| スピール膏 | サリチル酸 (角質剥離剤) | 2〜5日ごとに 貼り替え | 【指導】いぼの大きさに切って貼る。 健康な皮膚まで白くふやけて痛む 患部にジャストサイズで貼るよう伝える。 |
| サリチル酸ワセリン | サリチル酸 | 1日1〜数回 | 【指導】周囲の健康な皮膚に保護用のワセリンを 塗ってから、患部にピンポイントで塗ると トラブルが少ない。 |
| シメチジン | H2ブロッカー(胃薬) | 1日2〜3回 | 【監査】他科の胃薬との重複に注意。 免疫調整作用を期待した適応外使用 |
掌蹠膿疱症
| 薬剤名(商品名) | 成分・分類 | 用法・用量 | 監査・服薬指導のポイント |
| マーデュオックス ドボベット | ステロイド(VS) +ビタミンD3 | 1日1回 | 【10年前との違い】 かつての「練り合わせ」が1本に。 非常に強力なステロイドが入っている 漫然と広範囲に塗らないよう指導。 |
| ビオチン散 | ビタミンH(ビタミン剤) | 1日3回 | 【指導】「ビオチン療法」(自費)として 整腸剤(ミヤBM等)やVCとセットで 出ることが多い。 生卵の白身がビオチンの吸収を妨げるため、 食べ方に注意。 ※臨床検査に干渉する可能性 検査前に必ず服用を伝えて相談 |
| チガソン | エトレチナート(V.A誘導体) | 1日10〜25mg | 【最重要】 2年間の避妊(女) 6ヶ月の避妊(男) 献血禁止を必ず再確認。 食後服用で吸収率アップ。 |
| トレムフィア | グセルクマブ(生物学的製剤) | 8週に1回(皮下注) | 【最新*既存治療で無効な重症例に使用。 感染症リスクの確認 高額療養費制度の案内が必要。 |
いかがでしたか?
今回で皮膚科患者数の多い疾患ランキング(個人的体感)の10位まで網羅しました!
これで面接なども安心して受けられますので、是非皮膚科門前の薬局に挑戦してみてください。
次回は、褥瘡について復習します。







