復職に悩んでいるママ薬剤師さん、こんにちは!
結婚出産育児で10年プラスαのブランクを乗り越え、薬局復帰を果たしたみのりママと申します。
ブランクが長いと復職はかなり不安ですよね。
この薬局復帰おさらい帳「皮膚科編」第11回では、
帯状疱疹を復習します。
10年前だと「バルトレックス」や「ファムビル」をしっかり飲み切って!みたいな感じでしたよね。
あとは神経痛が残ってしまった患者さんにリリカとか。
現在の皮膚科の現場では、「飲み方」「お薬の選択肢」「痛みの止め方」「予防法」が劇的に進化しています!
ブランク長めの薬剤師さんが「今の帯状疱疹治療、ここまで進んでいるの?!」と驚くポイントを凝縮して、復習に使える記事にしました。
これさえ読めば、自信を持って服薬指導に立てますよ!
帯状疱疹
今日の学びで、「皮膚科の処方箋が怖くない」状態を一緒に目指しましょう!
この知識があれば、迷っていた求人にも自信を持って応募できるはずです。
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復習を始める前に!最短で復帰するための行動プラン
皮膚科の門前薬局に応募は済ませましたか?
最短で復職を果たすには、「期限」を設定することが大切です。
まずは、気になる皮膚科科門前薬局の求人に応募し、面接日を1〜2週間後に設定しましょう。
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帯状疱疹の病態:「神経の炎症」
帯状疱疹の原因は、子供の頃にかかった「水ぼうそう(水痘)」のウイルス(VZV)です。
治った後も神経の根元に潜んでいたウイルスが、免疫が落ちた隙に暴れ出すのがこの病気です。
過労やストレス、加齢などが引き金となります。
10年前と今の「病態理解」の重点
- 「早期治療」の目的:
- 昔は「早く治して痛みを引かせること」が主眼。
- 今はそれに加え、一生残るかもしれない「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という後遺症をいかに防ぐかに重点が置かれている。
- 「帯状疱疹は予防できる病気」へ:
- 50歳以上へのワクチン接種が当たり前になり、薬局のカウンターでもワクチン相談を受ける機会が増えた。
治療薬のラインナップ:10年前にはなかった「エース」の登場
最も大きな変化は、「アメナリーフ」という画期的な新薬の登場です。
発症後3日以内に服用開始が望ましいです。
抗ウイルス薬
| 薬剤名(成分名) | 分類 | 用法用量 | 10年前との違い・処方意図 |
| アメナリーフ錠200mg (アメナメビル) | ヘリカーゼ・ プライマー阻害剤 | 1日1回 2錠 (食後) | 現在のエース。 「腎機能による用量調節がいらない」 高齢者にも安心して処方される 【併用禁忌】リファンピシン(リファ ジン)(相互に代謝促進) |
| バルトレックス錠500 (バラシクロビル) | 核酸合成阻害剤 | 1日3回 2錠ずつ (計6錠/日) | 10年前の主役。 今も現役 腎機能に応じて減量が必要 処方箋が来たら必ず直近のeGFRを確認。 【併用注意】プロベネシド、シメチジン、 テオフィリン、ミコフェノール酸モフェチル |
| ファムビル錠250mg (ファムシクロビル) | 核酸合成阻害剤 | 1日3回 2錠ずつ | 10年前からあります。 腎機能に合わせた調節が必要。 |
【薬剤師の監査ポイント】
- アメナリーフは「食後」厳守!:
- 空腹時だと吸収がガクンと落ちる。
- 「朝食後」などの指示を必ず確認して。
- グレープフルーツジュースは飲まないこのように指導。この薬の血中濃度を上げるおそれ。
- セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品はとらないで。この薬の効果を弱めることがある。
- バルトレックスの用量:
- 帯状疱疹なら1回1000mg一日3回=1日3000mg(6錠)
- クレアチニンクリアランス(mL/min)50以下で1日2回
- クレアチニンクリアランス(mL/min)30以下で1日1回
- クレアチニンクリアランス(mL/min)10以下は1回500㎎を1日1回
- 腎機能が低下している方にこの量が出ると、精神神経系の副作用(意識障害など)のリスクがあり危険。
- ブランク明けは、ここを一番注意してチェック。
- ファムビルの用量
- 通常1回500㎎(2錠)1日3回
- クレアチニンクリアランス(mL/min)60以下で1日2回
- クレアチニンクリアランス(mL/min)40以下で1日1回
- クレアチニンクリアランス(mL/min)20以下で1回250mg1日1回
「痛み」の治療:鎮痛剤の新常識
10年前は「ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)」が中心でした。
現在は「神経の痛みそのもの」をブロックするお薬を併用するのがスタンダードです。
神経障害性疼痛治療薬
| 薬剤名(成分名) | 分類・作用機序 | 用法用量(成人・腎機能正常時) | 監査・服薬指導のポイント |
| タリージェ錠 (ミロガバリン) | α₂δ(アルファ2デルタ)リガンド 神経の過剰な興奮(痛みの信号)を抑える。 | 【開始】 1回5mg 1日2回 【維持】 1回10~15mg 1日2回 (1週間以上の間隔を空けて増量) | 2019年発売の新星。 めまい眠気副作用 運転は禁止 リリカより眠気の副作用が少ない? 腎機能による用量調節が非常に細かい。 処方箋に「1回5mg 1日2回」とあれば、 「まずは副作用が出ないか様子見だな」 と判断。 |
| リリカカプセル/OD錠 (プレガバリン) | α₂δ(アルファ2デルタ)リガンド タリージェと同系統だが、より実績が長い。 | 【開始】 1回75mg 1日2回 【維持】 1回150mg 1日2回 (最大1日600mgまで) | 10年前の主役。 開始時に「75mg 1日2回」が出るのが定番。 高齢の場合、さらに低用量の「25mg」から始まることも。 eGFRによる減量が必須チェック項目です。 |
| ノイロトロピン錠 (ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液) | 下降性疼痛抑制系賦活薬 脳から脊髄へ伝わる「痛みを抑える仕組み」を強める。 | 【通常】 1回2錠(4単位) 1日2回 (朝・夕食後) | 10年前からの定番。 副作用が極めて少なく 安全性が高いのが特徴。 リリカなどと併用も多い。 即効性はなし(4週間目安に) |
| メチコバール錠 (メコバラミン) | ビタミンB12製剤 傷ついた末梢神経の修復を助ける。 | 【通常】 1回1錠(500μg) 1日3回 | 神経のダメージを修復する「材料」としてよくセットで処方。 |
帯状疱疹の薬と腎機能(クレアチニンクリアランスとeGFR)の関係
eGFRの視点で見直すと、医師の処方意図がより深く理解できます。
- バルトレックス錠(バラシクロビル)
- eGFRが50を切る(クレアチニンクリアランス(mL/min)50以下)と、1日3回(計6錠)から1日2回(計4錠)へ
- クレアチニンクリアランス(mL/min)30以下で1日1回
- 段階的な減量が必要
- 知らずに満量で出すと、意識障害などの副作用が出るリスクあり。
- アメナリーフ錠(アメナメビル)
- 「腎機能を気にしなくていい」のが最大の特徴。
- 高齢者で腎機能がはっきりしない場合、医師は迷わずこちらを選ぶ。
- リリカ・タリージェ(痛み止め)
- クレアチニンクリアランスやeGFRに合わせて「開始用量を下げる」「1日2回を1日1回にする」といった調節が必要。
外用薬:実は「塗る」より「守る」が大事
10年前は「ゾビラックス軟膏(アシクロビル)」などの抗ウイルス軟膏がよく出ましたが、最近は処方頻度が減っています。
- ゾビラックス軟膏(アシクロビル):
- 昔の定番。
- 今は「飲み薬の効果が圧倒的に高い」ため、補助的な扱い。
- アズノール軟膏(アズレンスルホン酸ナトリウム):
- 水ぶくれが破れた後の炎症を抑えたり、保護したりするために使われます。
【実戦】服薬指導と生活のアドバイス
ブランクを感じさせない、プロフェッショナルな伝え方を整理します。
「7日間」は絶対に飲み切ること
- 指導:
- 「ウイルスは最初の1週間が勝負です。7日分、きっちり最後まで飲み切ってくださいね。」
- 痛みが引いたからと途中でやめると、ウイルスが残って後遺症(神経痛)の原因になる。
家族への感染(水ぼうそう)について
- 指導:
- 「帯状疱疹そのものがうつるわけではありません。
- 水ぼうそうにかかったことがない小さなお子さんや妊婦さんには、水ぼうそうとしてうつる可能性があります。
- 水ぶくれが乾いてかさぶたになるまでは、タオルを分けるなど注意してくださいね。」
「冷やす」はNG、「温める」が正解
- 指導:
- 「普通の湿疹と違って、帯状疱疹は温めた方が血流が良くなり痛みが和らぎます。 お風呂でゆっくり温まったり、カイロなどで冷やさないように工夫してください(※ただし熱すぎるお湯は逆効果なので注意)。」
10年前と「今」の大きな違い:ワクチンの普及
「二度となりたくない」「予防したい」という相談を受けた際、現在は2つの選択肢があります。
それぞれの特徴を正しく伝え、患者さんの価値観(安全性への考え方、費用、体質)に合ったものを選んでもらうことが大切です。
水痘ワクチン(生ワクチン:ビケンなど)
【10年前からの定番・実績重視派へ】
- 特徴:
- 弱毒化したウイルスそのものを使用する、古くからあるタイプ。
- メリット:
- 何十年もの使用実績があり、長期的な安全性が確認されている。
- 費用が1回数千円程度と安価で、接種も1回で済む。
- デメリット:
- 予防効果は50〜60%程度で、時間の経過とともに効果が落ちやすい。
- 「生」のウイルスなので、免疫が著しく低下している方には使えない。
- 処方意図への理解:
- 「新しい技術には抵抗がある」「実績のある方法で、手軽にリスクを減らしたい」という方に。
シングリックス(不活化ワクチン:遺伝子組み換え)
【最新技術・高い予防効果重視派へ】
- デメリット:
- 非常に高価(2回接種で4万円以上)。
- 新しい技術(組み換えタンパク+強力なアジュバント)のため、接種後の痛みや発熱などの反応が強く出やすい傾向。
- 特徴:
- ウイルスのタンパク質の一部を遺伝子組み換え技術で作ったもの。
- 2か月以上空けて2回接種
- メリット:
- 予防効果が90%以上と非常に高く、効果も長持ちするとされている。
参考文献
- マルホ「帯状疱疹 専門サイト」
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「帯状疱疹」
- 東京都保健医療局「帯状疱疹ワクチンについて」
皮膚科での薬局復帰におすすめの本
面接をクリアして、皮膚科に復職が決まったら、専門書でさらに詳しい知識を付けましょう。
書籍を使ったおすすめの勉強法は、簡単なものから先に読んでいくことです。
読む順番は
- 一般向けの簡単なもの
- 薬剤師向けの本
- 医師向けの専門書
この順で読んでいくことで、次のように効率的に理解が進みます。
- 患者さんの不安や疑問、分かりやすい表現を知る
- 詳しい薬剤知識と服薬指導のポイントを頭に入れる
- 医師の処方意図や病院での処置について知る
皮膚科に関しては一般向けのおすすめはみつかりませんでした。
薬剤師向けから読み始めましょう。
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まとめ
- 病態のポイント(何が起きている?)
- 原因: 体内に潜伏していた「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」の再活性化。
- きっかけ: 加齢、疲労、ストレス、免疫抑制状態(コロナワクチン後の免疫環境の変化への懸念も含む)。
- 症状: 神経の走行に沿った「帯状」の紅斑・水疱。ピリピリ・焼けるような痛みが特徴。
- 最大のリスク: 皮疹が治った後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」への移行をいかに防ぐか。
- 治療指針(医師はどう治そうとしている?)
- スピード勝負: 皮疹出現から72時間以内の抗ウイルス薬開始が理想。
- 初期(急性期): 「ウイルスの増殖抑制(抗ウイルス薬)」+「炎症の鎮静(NSAIDsなど)」。
- 移行期〜慢性期: 神経ダメージによる痛みへのアプローチ(タリージェ・リリカ、ノイロトロピン、ビタミンB12)。
- 予防のパラダイムシフト: 50歳以上はワクチン選択が可能に(生ワクチン or 不活化ワクチン)。
- 処方監査の「新常識」
- アメナリーフ(アメナメビル)
- 10年前との違い: 腎機能による減量が一切不要。
- 監査: 必ず「食後」の指示があるか確認(空腹時は吸収が大幅に落ちる)。
- バルトレックス(バラシクロビル)
- 監査: 処方箋のeGFR(またはCcr)を即チェック。
- 基準: eGFR(Ccr)50未満なら、1日3回から2回(あるいはそれ以下)へ減量が必要。
- アメナリーフ(アメナメビル)
- 薬剤の作用機序(サクッと復習)
- アメナリーフ: ウイルスの複製に不可欠な「ヘリカーゼ・プライマー複合体」を直接阻害。
- バルトレックス: ウイルスのDNA合成を邪魔する(核酸合成阻害)。
- タリージェ・リリカ: 神経の「痛み信号」の過剰な放出を抑える(α2リガンド)。
- メチコバール: 傷ついた神経の修復をサポート(ビタミンB12)
- 服薬指導の「鉄板フレーズ」
- 「7日間飲み切り」: 「ウイルスをしっかり叩き、後遺症(神経痛)を残さないために、症状が良くなっても最後まで飲み切ってくださいね」。
- 「温めるのが正解」: 「神経の痛みなので、冷やすと血流が悪くなり痛みます。カイロやお風呂で温めてください」。
- 「うつる可能性」: 「水ぼうそう未経験のお子さんや妊婦さんには、水ぼうそうとしてうつる事があるので、水ぶくれが乾くまでは接触を控えましょう」。
- 「ふらつき注意」: 「痛み止め(タリージェ等)の影響でふらつく事があるので、飲み始めは転倒や運転に注意してください」。
- ワクチン相談:誠実な2択
- 実績・安価重視: 「水痘ワクチン(生)」 ➡ 1回接種。安価だが予防効果は5〜6割。
- 効果重視: 「シングリックス(不活化)」 ➡ 2回接種。高価(4万円超)だが予防効果は9割超。副反応は強め。
薬剤師の視点: 「ご自身の体調、安全性への考え方に合わせて、納得のいく方を選びましょう」。
| 薬剤名(成分名) | 分類 | 用法用量 | 10年前との違い・処方意図 |
| アメナリーフ錠200mg (アメナメビル) | ヘリカーゼ・ プライマー阻害剤 | 1日1回 2錠 (食後) | 現在のエース。 「腎機能による用量調節がいらない」 高齢者にも安心して処方される 【併用禁忌】リファンピシン(リファ ジン)(相互に代謝促進) |
| バルトレックス錠500 (バラシクロビル) | 核酸合成阻害剤 | 1日3回 2錠ずつ (計6錠/日) | 10年前の主役。 今も現役 腎機能に応じて減量が必要 処方箋が来たら必ず直近のeGFRを確認。 【併用注意】プロベネシド、シメチジン、 テオフィリン、ミコフェノール酸モフェチル |
| ファムビル錠250mg (ファムシクロビル) | 核酸合成阻害剤 | 1日3回 2錠ずつ | 10年前からあります。 腎機能に合わせた調節が必要。 |
| 薬剤名(成分名) | 分類・作用機序 | 用法用量(成人・腎機能正常時) | 監査・服薬指導のポイント |
| タリージェ錠 (ミロガバリン) | α₂δ(アルファ2デルタ)リガンド 神経の過剰な興奮(痛みの信号)を抑える。 | 【開始】 1回5mg 1日2回 【維持】 1回10~15mg 1日2回 (1週間以上の間隔を空けて増量) | 2019年発売の新星。 めまい眠気副作用 運転は禁止 リリカより眠気の副作用が少ない? 腎機能による用量調節が非常に細かい。 処方箋に「1回5mg 1日2回」とあれば、 「まずは副作用が出ないか様子見だな」 と判断。 |
| リリカカプセル/OD錠 (プレガバリン) | α₂δ(アルファ2デルタ)リガンド タリージェと同系統だが、より実績が長い。 | 【開始】 1回75mg 1日2回 【維持】 1回150mg 1日2回 (最大1日600mgまで) | 10年前の主役。 開始時に「75mg 1日2回」が出るのが定番。 高齢の場合、さらに低用量の「25mg」から始まることも。 eGFRによる減量が必須チェック項目です。 |
| ノイロトロピン錠 (ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液) | 下降性疼痛抑制系賦活薬 脳から脊髄へ伝わる「痛みを抑える仕組み」を強める。 | 【通常】 1回2錠(4単位) 1日2回 (朝・夕食後) | 10年前からの定番。 副作用が極めて少なく 安全性が高いのが特徴。 リリカなどと併用も多い。 即効性はなし(4週間目安に) |
| メチコバール錠 (メコバラミン) | ビタミンB12製剤 傷ついた末梢神経の修復を助ける。 | 【通常】 1回1錠(500μg) 1日3回 | 神経のダメージを修復する「材料」としてよくセットで処方。 |
いかがでしたか?
色々と新しい薬や考え方に触れると、10年の変化って大きいなって実感しますよね。
腎機能を気にしなくていい新薬ありがたいです!
次回は、ヘルペスファミリー繋がりで「単純ヘルペス(主に口唇ヘルペス)」を復習します。







