皮膚科は「パターン」を掴めば怖くない!ブランク克服の第一歩はここから
こんにちは!
結婚出産育児で10年プラスαのブランクを乗り越え、薬局復帰を果たしたみのりママと申します。
ブランクが長いと復職はかなり不安ですよね。
「そろそろ本格的に復帰したい」と求人情報をチェックし始めていても
「給料も場所も魅力的だけど、皮膚科門前は勤めたことがないから応募に踏み切れない…」
と迷っていませんか?
その気持ち、よくわかります!
この「皮膚科編」第2回からは、皮膚科門前薬局で患者数の多い疾患ごとに、病態や治療指針、服薬指導のポイントなどを復習していきます。
- アトピー性皮膚炎
今日の学びで、「皮膚科の処方箋が怖くない」状態を一緒に目指しましょう!
この知識があれば、迷っていた求人にも自信を持って応募できるはずです。
「ブランクが長いから復職が不安…勉強に身が入らない!」ママ薬剤師さんならこちら↓
復習を始める前に!最短で復帰するための行動プラン
皮膚科の門前薬局に応募は済ませましたか?
最短で復職を果たすには、「期限」を設定することが大切です。
まずは、気になる皮膚科科門前薬局の求人に応募し、面接日を1〜2週間後に設定しましょう。
このゴール設定が、あなたのやる気をキープさせ、効率よく学べるようにしてくれますよ。
まだ応募をしていないなら、この勢いで気になる求人に応募してみましょう。
アトピー性皮膚炎の攻略
アトピー性皮膚炎は、皮膚の「バリア機能不全」と「慢性的な炎症」が組み合わさって起こります。
処方箋頻度が最も高い疾患です。
病態
アトピー性皮膚炎の起こる機序は次の通りです。
- 皮膚のバリア機能の低下(乾燥など)により、アレルゲンや刺激物質が表皮下に侵入する。
- 侵入した異物により表皮下の免疫細胞が活性化される。
- 免疫細胞によりTh2サイトカイン(IL-4, IL-13など)※が過剰に産生される。
※アレルギー性炎症に関わるサイトカイン - さらなるバリア機能の破壊と、痒み物質ヒスタミンなどの遊離が促進される
- 慢性的な炎症とかゆみの悪循環が起こる。
アトピー性皮膚炎の特徴は
- 強いかゆみを伴い、再発を繰り返す。
- 乳幼児期や小児期に発症することが多く、年齢が上がるにつれて自然に治る傾向がある。
- 年齢によって出やすい部位や湿疹の特徴に違いがある。
- 乳児期
- 頬を中心とした顔や頭皮に湿疹、口のまわり
- 乾燥→赤み、強い痒み→掻く→ジュクジュク
- 1~2歳で自然に収まることも多い
- 重症だと全身
- 幼児・学童期
- 首のまわり・肘・膝の関節の内側(肘窩や膝窩)、腋の下、手首・足首など皮膚の柔らかい屈曲部位
- 乾燥傾向
- 痒み
- 掻き壊しを繰り返すと、皮膚が厚くなり色素沈着
- 思春期以降
- 顔や首、胸、背中など
- ストレス・睡眠不足や不規則な生活によりアトピー症状が悪化しやすい
- 40歳以上の中高年
- 乾燥傾向が強い
- 乳児期
治療指針
ガイドラインによると治療目標は
「「症状がないか、あっても軽微で日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、その状態を維持すること」」とされています。
具体的には次の通りです。
- 基本はステロイド、タクロリムスなどの外用薬で速やかに寛解状態を目指す。
- 悪化の原因になる乾燥に対して保湿剤
- 内服は強い痒みに抗ヒスタミン薬、重症の場合にシクロスポリン、短期で経口ステロイド剤など
- 重症患者のために生物学的製剤やJAK阻害薬などの新薬が最近登場した
処方例
ステロイド外用薬
- ステロイド剤
- 1群ストロンゲスト
- デルモベート(クロベタゾールプロピオン酸エステル)、コムクロ
- ダイアコート(ジフロラゾン酢酸エステル)
- 2群ベリーストロング
- フルメタ(モメタゾンフランカルボン酸エステル)
- アンテベート(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)
- トプシム(フルオシノニド)、シマロン
- リンデロンDP(ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)
- マイザー(ジフルプレドナート)、ビスダーム
- ネリゾナ(ジフルコルトロン吉草酸エステル)、テクスメテン
- パンデル(酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン)
- 3群ストロング
- エクラー(デプロドンプロピオン酸エステル)
- メサデルム(デキサメタゾンプロピオン酸エステル)
- ボアラ(デキサメタゾン吉草酸エステル)
- ベトネベート、リンデロンⅤ(ベタメタゾン吉草酸エステル)
- フルコート(フルオシノロンアセトニド)
- 4群ミディアム
- リドメックスコーワ(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)
- レダコート、トリシノロン(トリアムシノロンアセトニド)
- アルメタ(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)
- ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)
- オイラゾン、デキサメタゾン(デキサメタゾン)
- 5群ウィーク
- プレドニゾロン
- 貼り付け剤
- ドレニゾン(フルドロキシコルチド)
- エクラー(デプロドンプロピオン酸エステル)
- 1群ストロンゲスト
- 1日2回、朝と夜(特に入浴後)の塗布 が一般的
- 炎症の強さや塗布部位に応じて選択
- 顔は原則ミデイアムクラス以下(リドメックス、アルメタ、ロコイド、プレドニゾロンなど)
- 基本は軟膏タイプ
- 夏場は使用感重視でローションやクリームも
- 頭部はローション
- 赤く盛り上がる痒疹や肥厚した患部にはテープ剤
- 塗る量の目安はFTU
- FTU(フィンガーチップユニット):大人の人差し指の第一関節までの量で、手のひら2枚分の面積に塗れる量
タクロリムス軟膏(プロトピック)
- 1日1~2回塗布(2回なら12時間空ける)
- 禁忌:高度腎障害、高度高カリウム血症、皮膚感染症
- 顔面・頸部の皮疹に対して高い適応がある
- びらん、潰瘍がある箇所には使用できない(刺激性あり)
- 0.1%軟膏(16歳以上)、0.03%軟膏(2~15歳の小児用)
- 2歳未満の小児、授乳中の婦人には使用できない
- 症状悪化・改善が見られない時は速やかに中止
- 症状改善→速やかに中止※漫然と使用しない
- 塗布部を長時間日光にさらさないように(日焼けランプ×)
- 刺激感(ヒリヒリ、しみる、ほてり)あることを事前に説明→症状改善で刺激は減る
- 初処方時はメーカーの指導箋を添える
保湿剤
ヒルドイド(ヘパリン類似物質)、ワセリンなど
- 1日2回以上(特に入浴後はすぐ塗る)
- たっぷり塗る
- FTU(フィンガーチップユニット):大人の人差し指の第一関節までの量で、手のひら2枚分の面積に塗れる量
- ステロイド剤と併用時は、塗る順番は医師の指示による。5分以上間隔をあける。
内服薬
痒みや症状がひどい場合に補助的に使われます。
抗ヒスタミン薬
- フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラ、ディレグラ配合錠など)
- 小児(7歳以上12歳未満):1回30mgを1日2回経口投与。
- 12歳以上:1回60mgを1日2回経口投与。
- 眠気少ない→成人は運転可能(個人差があるので注意)
- ケトチフェンフマル酸塩(商品名:ザジテンDSなど)
- 小児通常、1日0.06mg/kgを2回に分けて経口投与。
- 6か月から2歳:0.8㎎
- 3~6歳:1.2mg
- 7歳以上:2㎎
- ザジテンDS0.1%=製剤1g中の成分1㎎
- 禁忌:てんかんまたは既往歴
- 最大投与量は1日1mgまで
- 眠気アリ
- 小児通常、1日0.06mg/kgを2回に分けて経口投与。
- オロパタジン塩酸塩(商品名:アレロック錠、OD、顆粒0.5%)
- 2歳以上7歳未満:1回2.5㎎、1日2回
※顆粒0.5%(1g中5㎎)の一包0.5gなので一回一包 - 7歳以上:1回5㎎、1日2回
- 眠気あり
- 2歳以上7歳未満:1回2.5㎎、1日2回
- エピナスチン塩酸塩(商品名:アレジオン錠、DS)→販売中止(経過措置2025年3月31日まで)
シクロスポリン
- ネオーラル:カプセル(10,25,50㎎)、内用液10%(50ml瓶)
- 後発シクロスポリン:カプセル(10,25,50㎎)、細粒17%
- 既存の治療で十分な効果が得られない場合に使用
- 開始:3㎎/㎏/日~
- 5㎎/㎏/日を超えないように
- 腎障害、高血圧、感染症に注意
- 定期的に薬剤血中濃度(トラフ値)測定
- 8~12週間で終了
- 症状軽快→速やかに他薬剤に切り替える
- 長期投与必要→2週間以上の休薬(間歇投与)
ステロイド内服薬
一般的に使用されるのはプレドニゾロン(商品名:プレドニンなど)
- 成人で1日 15 ~30 mg 程度(体重や重症度による)
- 1日1回または2回に分けて朝食後に内服。
- 短期集中投与(通常、1〜2週間程度)
- 症状が改善したら、副作用を避けるため、徐々に減量(漸減)
- 3~5日後ごとに5㎎減らすなど
- 高血糖、胃潰瘍、骨粗鬆症、感染症誘発などの全身性の副作用リスク
- 自己判断での増量や中止は絶対に行わず、必ず医師の指示に従って服用
新薬
重症度が中等度以上、既存の治療法で改善しない場合のみ適用されます。
目にする機会が多いわけではないですが、名前だけでもサラっと目を通しましょう。
生物製剤:デュピルマブ
- デュピクセント皮下注300㎎シリンジ、皮下注300㎎ペン
- 2018登場
- 自己注射可能(ペン)
- 初回600㎎皮下投与、その後1回300㎎を2週間間隔
- 薬価が高い(3割負担で初月6万円、次月以降4万円)
- インターロイキン(IL-4、13)の働きを抑えることで炎症・痒みを改善するとされる
JAK阻害薬
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬。
炎症に関係しているサイトカインによって細胞内で出されるシグナルを阻害する薬。
関節リウマチなどで内服薬として使用されていたものもある。
- デルゴシチニブ(コレクチム軟膏)
- 皮膚バリア機能改善と痒み抑制
- 現在は16歳以上が適用
- 成人1日2回適量を患部に塗布(12時間あける)
- 一回当たり塗布量は全身で最大5gまで
- 強さはステロイド外用薬のⅢストロングクラスト同等と言う評価
- 副作用:毛包炎、ざ瘡、カポジ水痘様発疹、ヘルペス、接触性皮膚炎
- ステロイド外用と併用OK。患部により使い分けが望ましい
- タクロリムス軟膏とは原則併用NG
- シクロスポリンやデュピルマブなど全身療法との併用も原則NG
- 保湿剤は併用可だが、あまり必要ないかも(バリア機能の改善)
- びらん、粘膜面への塗布、密封療法、リント布の貼り付け禁止
- 塗布部が悪化したら、アトピー自体の悪化と接触性皮膚炎の鑑別が必要
服薬指導のポイント
アトピー性皮膚炎では自己判断で中止せずに、医師の指示通りに薬の使用を継続してもらうことが重要です。
患者さんには以下の点に注意してお話しています。
- ステロイド・保湿剤の塗る量はたっぷりめ
- FTU:大人の人差し指第一関節分の軟膏をてのひら2枚分の場所に塗る
- 薬の間隔は5分以上あける
- 良くなったように思っても勝手に減らしたり、中止したりしない(すぐぶり返す可能性
プラスアルファ!生活上の注意
薬剤治療以外にも、アレルゲンを減らし、乾燥や掻きむしりを防ぐことで、症状の悪化を防ぐことができます。
病院から既に指導されている可能性があります。
患者さんから質問されたらアドバイスする、くらいのスタンスの方が良いでしょう。
お子さんのアトピーに悩んでいる親御さんを追い詰めないように、「出来る範囲で無理せず」のメッセージを忘れずに。
- 清潔を保つ(入浴・洗顔)
- お湯の温度はぬるめに: 38~40程度のぬるま湯にします。熱いお湯は皮膚の脂分を奪い、かゆみを誘発します。
- 泡で洗う: 石鹸や洗顔料をしっかり泡立て、手でなでるように洗います。ナイロンタオルなどでゴシゴシこするのは厳禁です。
- すすぎを念入りに: 首のしわ、脇の下、関節の内側など、石鹸が残りやすい場所は特に丁寧にすすぎます。
- 徹底した保湿ケア
- バリア機能を補うため、毎日欠かさず行います。
- 入浴後5分以内に: お風呂上がりは水分が蒸発しやすいため、タオルで軽く押さえるように水分を拭いたら、すぐに保湿剤を塗ります。
- 「たっぷり」と: 皮膚がしっとりし、ティッシュペーパーが張り付く程度の量(FTUを目安に)を塗ります。
- 季節を問わず継続: 調子が良い時も、バリア機能を維持するために継続することが再発防止につながります。
- 衣類と汗の対策
- 直接肌に触れるものへの刺激を減らします。
- 素材選び: 肌への刺激が少ない**綿(コットン)100%**が推奨されます。ウールや化学繊維はチクチクしてかゆみの原因になることがあります。
- 汗を放置しない: 汗は放置すると刺激になります。汗をかいたら、濡れタオルで優しく押さえるように拭くか、シャワーで流しましょう。
- 新しい服は一度洗う: 新品の服に含まれる糊や染料が刺激になることがあるため、一度洗濯してから着用します。
- 住環境の整備
- アレルゲン(悪化因子)を可能な限り排除します。
- こまめな掃除: ダニやハウスダストを減らすため、掃除機をかけ、部屋の換気を行います。
- 湿度・温度の管理: 乾燥する冬場は加湿器を使い、**湿度50〜60%**を目安に保ちます。夏場はエアコンを適切に使い、汗による悪化を防ぎます。
- 寝具の清潔: 枕カバーやシーツはこまめに洗濯しましょう。
- 爪を短く切る
- 無意識に掻いてしまった際のダメージを最小限にします。
- 深爪しない程度に短く: 爪の先が丸くなるように整えます。
- 手洗い: 爪の間を清潔に保つことで、掻いた傷口からの細菌感染(とびひなど)を防ぎます。
- 規則正しい生活
- バランスの良い食事: 刺激物(辛いもの)やアルコールは血行を良くし、かゆみが強まることがあるため控えめにします。
- 十分な睡眠とストレス解消: ストレスは自律神経を乱し、かゆみを敏感にさせます。
皮膚科での薬局復帰におすすめの本
面接をクリアして、皮膚科に復職が決まったら、専門書でさらに詳しい知識を付けましょう。
書籍を使ったおすすめの勉強法は、簡単なものから先に読んでいくことです。
読む順番は
- 一般向けの簡単なもの
- 薬剤師向けの本
- 医師向けの専門書
この順で読んでいくことで、次のように効率的に理解が進みます。
- 患者さんの不安や疑問、分かりやすい表現を知る
- 詳しい薬剤知識と服薬指導のポイントを頭に入れる
- 医師の処方意図や病院での処置について知る
皮膚科に関しては一般向けのおすすめはみつかりませんでした。
薬剤師向けから読み始めましょう。
薬剤師向けの本ならこちら↓
介護施設の処方が多い場合はこちらもおすすめ↓
医師向けの専門書はこちら↓
まとめ
- 皮膚の「バリア機能不全」と「慢性的な炎症」が組み合わさって起こる。
- 強いかゆみと慢性的な炎症を伴い、再発を繰り返す。
- 乳幼児期や小児期に発症することが多く、年齢が上がるにつれて自然に治る傾向がある。
- 年齢によって出やすい部位や湿疹の特徴に違いがある。
- 治療目標:「症状がないか、あっても軽微で日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、その状態を維持すること」
- 基本はステロイド、タクロリムスなどの外用薬で速やかに寛解状態を目指す。
- 悪化の原因になる乾燥に対して保湿剤
- 内服は強い痒みに抗ヒスタミン薬、重症の場合にシクロスポリン、短期で経口ステロイド剤など
- 重症患者のために生物学的製剤やJAK阻害薬などの新薬が最近登場した
- ステロイド外用薬
- 1日2回、朝と夜(特に入浴後)の塗布 が一般的
- 炎症の強さや塗布部位に応じて選択
- 顔は原則ミデイアムクラス以下(リドメックス、アルメタ、ロコイド、プレドニゾロンなど)
- 基本は軟膏タイプ
- 夏場は使用感重視でローションやクリームも
- 頭部はローション
- 赤く盛り上がる痒疹や肥厚した患部にはテープ剤(ドレニゾン、エクラー)
- 塗る量の目安はFTU
- FTU(フィンガーチップユニット):大人の人差し指の第一関節までの量で、手のひら2枚分の面積に塗れる量
- タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)
- 1日1~2回塗布(2回なら12時間空ける)
- 禁忌:高度腎障害、高度高カリウム血症、皮膚感染症
- 顔面・頸部の皮疹に対して高い適応がある
- びらん、潰瘍がある箇所には使用できない(刺激性あり)
- 0.1%軟膏(16歳以上)、0.03%軟膏(2~15歳の小児用)
- 2歳未満の小児、授乳中の婦人には使用できない
- 症状悪化・改善が見られない時は速やかに中止
- 症状改善→速やかに中止※漫然と使用しない
- 塗布部を長時間日光にさらさないように(日焼けランプ×)
- 刺激感(ヒリヒリ、しみる、ほてり)あることを事前に説明→症状改善で刺激は減る
- 初処方時はメーカーの指導箋を添える
- 保湿剤:ヒルドイド(ヘパリン類似物質)、ワセリンなど
- 1日2回以上(特に入浴後はすぐ塗る)
- たっぷり塗る
- FTU(フィンガーチップユニット):大人の人差し指の第一関節までの量で、手のひら2枚分の面積に塗れる量
- ステロイド剤と併用時は、塗る順番は医師の指示による。5分以上間隔をあける。
- 内服薬
- 痒みや症状がひどい場合に補助的に使用
- 抗ヒスタミン薬(第二世代推奨)
- フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラ、ディレグラ配合錠など)
- 小児(7歳以上12歳未満):1回30mgを1日2回経口投与。
- 12歳以上:1回60mgを1日2回経口投与。
- 眠気少ない→成人は運転可能(個人差があるので注意)
- ケトチフェンフマル酸塩(商品名:ザジテンDS0.1%など)
- 小児通常、1日0.06mg/kgを2回に分けて経口投与。
- 禁忌:てんかんまたは既往歴
- 最大投与量は1日1mgまで
- 眠気アリ
- オロパタジン塩酸塩(商品名:アレロック錠、OD、顆粒0.5%)
- 2歳以上7歳未満:1回2.5㎎、1日2回
※顆粒0.5%(1g中5㎎)の一包0.5gなので一回一包 - 7歳以上:1回5㎎、1日2回
- 眠気あり
- 2歳以上7歳未満:1回2.5㎎、1日2回
- フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラ、ディレグラ配合錠など)
- 経口ステロイド
- プレドニゾロン(商品名:プレドニンなど)
- 成人で1日 15 ~30 mg 程度(体重や重症度による)
- 1日1回または2回に分けて朝食後に内服。
- 短期集中投与(通常、1〜2週間程度)、その後徐々に減量(漸減)
- 3~5日後ごとに5㎎減らすなど
- 高血糖、胃潰瘍、骨粗鬆症、感染症誘発などの全身性の副作用リスク
- 自己判断での増量や中止は絶対に行わず、必ず医師の指示に従って服用
- シクロスポリン
- ネオーラル:カプセル(10,25,50㎎)、内用液10%(50ml瓶)
- 後発シクロスポリン:カプセル(10,25,50㎎)、細粒17%
- 既存の治療で十分な効果が得られない場合に使用
- 開始:3㎎/㎏/日~、5㎎/㎏/日を超えないように
- 腎障害、高血圧、感染症に注意
- 定期的に薬剤血中濃度(トラフ値)測定
- 8~12週間で終了
- 症状軽快→速やかに他薬剤に切り替える
- 長期投与必要→2週間以上の休薬(間歇投与)
- 生物製剤:デュピルマブ
- デュピクセント皮下注300㎎シリンジ、皮下注300㎎ペン
- 2018登場
- 自己注射可能(ペン)
- 初回600㎎皮下投与、その後1回300㎎を2週間間隔
- 薬価が高い(3割負担で初月6万円、次月以降4万円)
- インターロイキン(IL-4、13)の働きを抑えることで炎症・痒みを改善するとされる
- JAK阻害薬
- デルゴシチニブ(コレクチム軟膏)
- 皮膚バリア機能改善と痒み抑制
- 現在は16歳以上が適用
- 成人1日2回適量を患部に塗布(12時間あける)
- 一回当たり塗布量は全身で最大5gまで
- 強さはステロイド外用薬のⅢストロングクラスト同等と言う評価
- 副作用:毛包炎、ざ瘡、カポジ水痘様発疹、ヘルペス、接触性皮膚炎
- ステロイド外用と併用OK。患部により使い分けが望ましい
- タクロリムス軟膏とは原則併用NG
- シクロスポリンやデュピルマブなど全身療法との併用も原則NG
- 保湿剤は併用可だが、あまり必要ないかも(バリア機能の改善)
- びらん、粘膜面への塗布、密封療法、リント布の貼り付け禁止
- 塗布部が悪化したら、アトピー自体の悪化と接触性皮膚炎の鑑別が必要
- ステロイド・保湿剤の塗る量はたっぷりめ
- FTU:大人の人差し指第一関節分の軟膏をてのひら2枚分の場所に塗る
- 薬の間隔は5分以上あける
- 良くなったように思っても勝手に減らしたり、中止したりしない(すぐぶり返す可能性
- 入浴
- ぬるめのお湯38~40度
- 泡で優しく洗う
- しっかりすすぐ
- 保湿
- 毎日欠かさず(季節や症状を問わず)
- 入浴後5分以内に
- 「たっぷり」と
- 衣類と汗の対策
- 綿(コットン)100%推奨。飾りや縫い目なども刺激になる
- 汗を放置しない
- 新しい服は一度洗う
- 住環境の整備
- こまめな掃除: 掃除機をかけ、部屋の換気。
- 湿度・温度の管理: 湿度50〜60%を目安に、汗をかかない気温で
- 寝具の清潔: 枕カバーやシーツはこまめに洗濯。
- 爪を短く切る
- 規則正しい生活:バランスの良い食生活、適度な運動、十分な睡眠
いかがでしたか?
ザっと目を通して、通常の処方パターンと、重症の場合の薬剤の名前を頭に入れる感じで大丈夫です。
次回はざ瘡(ニキビ)などを復習していきます。
一緒に現場復帰を目指して頑張りましょう!







