【皮膚科編7:乾癬】10年前と別世界!「完解」を目指す最新治療と服薬指導の総まとめ

これだけ暗記

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復職に悩んでいるママ薬剤師さん、こんにちは!

結婚出産育児で10年プラスαのブランクを乗り越え、薬局復帰を果たしたみのりママと申します。

ブランクが長いと復職はかなり不安ですよね。

この薬局復帰おさらい帳「皮膚科編」第7回では、「乾癬」治療について復習します。

「昔はステロイドとビタミンD3を別々に塗るのが主流だったけど、今は?」と不安になりますよね。

実はこの10年、乾癬治療はかなりの進化を遂げました。

この記事では、忙しいママ薬剤師さんが隙間時間でアップデートできるよう、乾癬治療の最前線をまとめました。

この記事を読めば、最新のガイドラインに基づいた監査ポイントと、自信を持った服薬指導がマスターできますよ!

今回で復習すること
  • 乾癬

今日の学びで、「皮膚科の処方箋が怖くない」状態を一緒に目指しましょう!

この知識があれば、迷っていた求人にも自信を持って応募できるはずです。

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ブランク10年を経て、復帰を果たした子持ち主婦薬剤師。
復職活動で悩んだ経験から、ブランクに悩むママ薬剤師の復帰を応援したい!とブログ開設。
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今は飼えないけど、犬が好き。

みのりママをフォローする
  1. 復習を始める前に!最短で復帰するための行動プラン
  2. 【病態】乾癬ってどんな病気?(10年前との意識の違い)
  3. 【治療指針】現在のゴールは「PASI 100(完解)」
  4. 【薬剤解説】分類・用法用量・監査のポイント
    1. 外用薬(塗り薬):現在は「配合剤」が主役!
    2. 内服薬:10年前にはなかった「オテズラ」の登場
    3. 生物学的製剤(注射薬):劇的な進化
      1. 【IL-17 阻害薬】皮膚症状を劇的に改善する主役
      2. 【IL-23 阻害薬】「おおもと」を止める最新の主流
      3. 【TNF-α 阻害薬・その他】関節症状がある場合に強い
      4. 薬局での共通の監査・指導ルール(10年前との違い)
        1. 導入期と維持期のスケジュール違い
        2. 保管方法と「室温に戻す」重要性
        3. 医療費・高額療養費制度のフォロー
        4. 感染症のモニタリング
    4. 乾癬治療薬の作用機序を復習
      1. 10年前との違い
      2. ビタミンD3外用薬(角化細胞へのアプローチ)
      3. PDE4阻害薬(細胞内のバランス調整)
      4. TYK2阻害薬(シグナル伝達のブロック)
      5. 免疫抑制薬(T細胞の活性化を抑制)
      6. VA誘導体(エトレチナート:チガソン)
      7. 生物学的製剤(サイトカインのピンポイント遮断)
  5. 【医師の処方意図】なぜこの薬が出たのか?
  6. 【服薬指導・生活上の注意】ママ薬剤師の腕の見せ所!
    1. 塗り方の極意「ティッシュがつくまで」
    2. 「Koebner(ケブネル)現象」を教える
    3. 「メタボ」との付き合い方
  7. 皮膚科での薬局復帰におすすめの本
  8. まとめ

復習を始める前に!最短で復帰するための行動プラン

皮膚科の門前薬局に応募は済ませましたか?

最短で復職を果たすには、「期限」を設定することが大切です。

まずは、気になる皮膚科科門前薬局の求人に応募し、面接日を1〜2週間後に設定しましょう。

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【病態】乾癬ってどんな病気?(10年前との意識の違い)

乾癬は、単なる「皮膚の荒れ」ではありません。

  • 何が起きている?:
    • 免疫系(T細胞など)が暴走
    • 炎症を引き起こすサイトカインを出し続ける。
    • その結果、皮膚の細胞が通常の約10倍もの速さで作られる。
    • 未熟なまま積み重なって盛り上がり(紅斑)
    • 銀白色のフケのようなもの(鱗屑)となって剥がれ落ちる。
  • 【10年前との違い】:
    • 昔は「皮膚だけの病気」と思われがちだった
    • 今は「全身の炎症性疾患」と捉えられている。
    • メタボリックシンドローム、糖尿病、さらには関節の痛み(乾癬性関節炎)を合併しやすいことが判明。
  • 一番のポイント:
    • 「感染しない」ということ。
    • 患者さんはこの誤解に最も傷ついている。
    • 薬剤師が「うつらない病気である」と確信を持って接することが、信頼関係の第一歩。

【治療指針】現在のゴールは「PASI 100(完解)」

10年前は「赤みが引けばOK」という消極的な目標でした。

現在は「肌を完全にきれいにする(PASI 100)」、そしてそれを維持することが目標です。

治療は「ピラミッド」のステップアップ方式で進みます。

  1. 外用療法: 基本中の基本。
  2. 光線療法: 紫外線(ナローバンドUVBなど)を当てる。
  3. 内服療法: 全身に症状がある場合。
  4. 生物学的製剤: 10年で最も進化した、究極の「特効薬」。

【薬剤解説】分類・用法用量・監査のポイント

ここが薬剤師の実務で最も重要なセクションです。

10年前にはなかった「配合剤」と「新薬」に注目してください。

外用薬(塗り薬):現在は「配合剤」が主役!

昔は「ステロイドを塗って、その上からビタミンD3を重ねて…」と大変でしたが、今は1本で済む配合剤が主流です。

薬剤名
(商品名)
成分
(ステロイド+VD3)
ランク特徴・監査ポイント
ドボベットベタメタゾン +
カルシポトリオール
Ⅱ群 (VS)現在のゴールドスタンダード。
1日1回でOK。週90g以内
ゲル、軟膏、フォームがある。
顔には使えない
副作用注意(VD共通)
高カルシウム血症
急性腎障害
マーデュオックスベタメタゾン +
マキサカルシトール
Ⅱ群 (VS)ドボベットと並ぶ配合剤。
1日1回。
オキサロールマキサカルシトール
単剤
VD3単剤ステロイドを休む期間(休薬)
によく使われる。
1日2回
魚鱗癬、
掌蹠角化症、膿疱症にも
ドボネックスカルシポトリオールVD3単剤1日2回。顔面は非適応
ボンアルファハイタカルシトールVD3単剤1日1回
ボンアルファタカルシトールVD3単剤1日2回
魚鱗癬、
掌蹠角化症、膿疱症などにも

内服薬:10年前にはなかった「オテズラ」の登場

全身療法も劇的に変わりました。

薬剤名
(商品名)
薬効分類標準的な用法用量10年前との違い・監査
オテズラPDE4阻害薬1回30mg
1日2回
2016年発売の革命児。
従来の薬(ネオーラル等)より
副作用が少なく使いやすい。
初期の吐き気に注意。
ソーティクツTYK2阻害薬1回6mg
1日1回
2022年発売。
非常に強力な新しい内服薬。
ネオーラル免疫抑制薬体重あたりで算出10年前からの定番。
血圧上昇や腎機能チェックが必須。
メソトレキセート免疫抑制薬週1回(休薬期間あり)抗がん剤としても使う。
「週1回」の監査を絶対に間違えない!
チガソンVA誘導体1日10〜25mg
(食後)
【要注意】
以前より頻度は減少。
重症例に使用。
厳格な避妊(女2年・男6ヶ月)と
献血禁止が必須。

生物学的製剤(注射薬):劇的な進化

10年前は数種類しかありませんでしたが、現在は10種類以上あります。

【IL-17 阻害薬】皮膚症状を劇的に改善する主役

乾癬の炎症の最終段階で働く「IL-17A」をブロックします。即効性が高く、皮膚をきれいにする力が非常に強いのが特徴です。

薬剤名(商品名)用法・
用量(維持期)
処方監査・服薬指導のポイント
コセンティクス
(セクキヌマブ)
1回300mgを
4週に1回
【監査】導入期(初回〜4週目)は毎週打つため、
維持期への切り替え時期を確認。
300mgは150mgペン2本の場合がある。
トルツ
(イキセキヌマブ)
1回80mgを
4週に1回
【指導】注射部位反応(赤み・痛み)が比較的出やすい。
保冷バッグでの持ち帰りと、
打つ30分前に冷蔵庫から出すことを徹底。
ルミセフ
(ブロダルマブ)
1回210mgを
2週に1回
【監査】他のIL-17阻害薬より間隔が短い(2週に1回)ため、
日数計算に注意。
稀に気分の落ち込みが出るためメンタル面も確認。
ビンゼレックス
(ビメキズマブ)
1回160mgを
4週に1回
*最新情報】**2022年発売。
IL-17Aだけでなく17Fもブロックする強力な新薬。
口腔カンジダ症(口の中の白斑)の副作用をチェッ

【IL-23 阻害薬】「おおもと」を止める最新の主流

炎症の連鎖を引き起こす上位のスイッチ「IL-23」をブロックします。

効果が非常に長く続き、注射回数が少なくて済むのが最大のメリットです。

薬剤名
(商品名)
用法・
用量(維持期)
処方監査・服薬指導のポイント
トレムフィア
(グセルクマブ)
1回100mgを
8週に1回
【監査】2ヶ月に1回という間隔を
間違えていないか。
非常に安全性が高いとされる。
スキリージ
(リサンキズマブ)
1回150mgを
12週に1回
【指導】年4回の注射で済むため、
打ち忘れに注意(アプリ等の活用を)。
現在は150mgを1本で打てる。

【TNF-α 阻害薬・その他】関節症状がある場合に強い

生物学的製剤の第一世代。

皮膚だけでなく、関節の痛み(乾癬性関節炎)が強い場合に今でもよく選ばれます。

薬剤名(商品名)ターゲット用法・
用量(維持期)
監査・指導のポイント
ヒュミラ
(アダリムマブ)
TNF-α2週に1回【監査】最も歴史が長く、
バイオシミラー(後続品)も出ている。
処方箋がBS(バイオシミラー)か先発品か要確認。
ステラーラ
(ウステキヌマブ)
IL-12/2312週に1回【監査】体重が100kgを超える場合は
用量が倍(90mg)になるため、体重を確認。

薬局での共通の監査・指導ルール(10年前との違い)

導入期と維持期のスケジュール違い

自己注射製剤の多くは、「開始から1ヶ月間は頻繁に打ち、その後は間隔をあける」というスケジュールになっています。

  • 監査: 今、患者さんが「導入期」なのか「維持期」なのか、お薬手帳で前回日を確認し、処方日数が適切かチェックします。
保管方法と「室温に戻す」重要性
  • 冷所保存(2〜8℃): 凍結厳禁。
  • 指導: 冷蔵庫から出してすぐに打つと、薬液の温度差で強い痛みを感じます。
  • 「打つ30〜60分前に冷蔵庫から出し、室温に戻してから打つ」ことが、痛みを軽減する最大のコツです。
医療費・高額療養費制度のフォロー

これらの薬は非常に高価(3割負担で1本数万円)です。

  • 薬剤師の役割: 10年前よりも制度が周知されていますが、改めて「限度額適用認定証」の利用や、付加給付について情報提供すると、患者さんの経済的・心理的な負担を和らげることができます。
感染症のモニタリング
  • 指導: 免疫をピンポイントで抑えるため、「風邪のような症状」「発熱」「咳」が長引く場合は、注射を打たずにすぐに主治医に連絡するよう伝えます。

乾癬治療薬の作用機序を復習

10年も経つと、どうVD3が効くのか忘れてしまってました、私は…。

というわけで服薬指導のポイントもはさみつつ、サラっと復習しましょう。

10年前との違い

10年前は「免疫抑制=全身の抵抗力が落ちる」という心配が強かったですよね。

近年の新薬は、「乾癬の炎症に関わる部分だけを狙い撃ち」できるようになっています。

そのため、「強い薬だから副作用が怖い」と不安がる患者さんには、

「今は悪い部分だけにピンポイントで働くお薬が増えているので、昔よりも安全に高い効果が期待できるんですよ」

と前向きな説明をしてあげてください。

ビタミンD3外用薬(角化細胞へのアプローチ)

皮膚の細胞が「増えすぎている」状態を正常化するのが主な役割です。

  • 増殖抑制: 皮膚の細胞(角化細胞)が過剰に作られるスピードを抑えます。
  • 分化誘導: 未熟なまま積み重なっている細胞を、正しく成熟(分化)させて、きれいな皮膚の表面を作ります。
  • 10年前との違い: 昔は「ベタつき」が不評でしたが、現在はステロイドとの配合剤(ドボベット等)が登場し、1回の塗布で「増殖抑制」と「炎症抑制」の両方を同時に行えるようになっています。
  • 副作用注意:
    • 高カルシウム血症:倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔吐、腹痛、筋力低下
    • 急性腎障害:血清カルシウム値上昇

PDE4阻害薬(細胞内のバランス調整)

飲み薬の「オテズラ(アプレミラスト)」がこれに当たります。細胞内の「炎症の火種」を静めます。

  • cAMPの増加: 細胞内の炎症を抑える物質「cAMP(サイクリックAMP)」を分解する酵素「PDE4」をブロックします。
  • サイトカインの調整: cAMPが増えることで、炎症を起こす物質(TNF-α、IL-17、IL-23など)の産生を減らし、逆に炎症を抑える物質(IL-10など)を増やします。
  • ポイント: 免疫全体を「遮断」するのではなく、細胞内のバランスを「整える」イメージなので、従来の免疫抑制薬より感染症のリスクが低いとされています。

TYK2阻害薬(シグナル伝達のブロック)

最新の飲み薬「ソーティクツ(デュークラバシチニブ)」の機序です。

  • シグナル遮断: 炎症を引き起こすメッセージを受け取る「TYK2(チロシンキナーゼ2)」というスイッチをピンポイントでオフにします。
  • IL-23/IL-17ラインの停止: 乾癬の元凶と言われる「IL-23」などのサイトカインが細胞に命令を出すルートを遮断し、皮膚の盛り上がりや赤みを元から止めます。
  • ポイント: 10年前にはなかった「JAKファミリー」を標的にした非常に新しいカテゴリーです。

免疫抑制薬(T細胞の活性化を抑制)

「ネオーラル(シクロスポリン)」などが代表です。

  • T細胞の抑制: 炎症の司令塔である「T細胞」が暴走するのを抑えます。
  • サイトカイン放出停止: T細胞からの「皮膚を作れ!」という過剰な命令(サイトカインの放出)を根元からストップさせます。
  • ポイント: 作用が強力かつ広範囲なため、乾癬がひどい時期に「一気に火を消す」目的で使われることが多いですが、血圧や腎機能への影響をチェックする必要があります。

VA誘導体(エトレチナート:チガソン)

  • 皮膚の作り替えを正常化: 乾癬の根本原因である「細胞の異常な増殖」を直接抑え、バラバラになった角化のプロセスを整えます。
  • 「めくる」から「整える」へ: 溜まった鱗屑(フケのようなもの)を剥がれやすくし、新しく生まれる皮膚を正常な状態に導きます。

生物学的製剤(サイトカインのピンポイント遮断)

10年前は「生物学的製剤=入院して点滴や通院して注射する、副作用が怖い強い薬」というイメージがありました。

現在では

  • ペン型の自己注射製剤が増え、通院の負担が激減
  • 乾癬の炎症に関わる部分だけを止めるため、重い感染症のリスクが低減
  • 「全く症状がないクリアな肌(PASI 100)」を維持することを目指せるようになっている

このように変化しています。

いや~、私が子育てしかしてなかった間に、世の中はすごい進んでたんですね…泣

TNF-α(ティーエヌエフ・アルファ)阻害薬

  • 機序: 炎症の初期段階で放出される広範な炎症物質「TNF-α」をブロックします。
  • 10年前との違い: 乾癬における生物学的製剤の第一世代。
    現在は皮膚症状だけでなく、関節の痛み(乾癬性関節炎)が強い場合に選ばれる
  • 代表薬: ヒュミラ、レミケードなど。

IL-17(インターロイキン17)阻害薬

  • 機序: 乾癬の皮膚症状(盛り上がりや赤み)を直接引き起こす最終ランナー「IL-17」をブロックします。
  • 特徴: 即効性が高く、短期間で皮膚が劇的にきれいになります。
  • 10年前との違い: 10年前はまだ登場したばかりでしたが、現在は主力のカテゴリーです。
  • 代表薬: コセンティクス、トルツ、ルミセフ、ビンゼレックスなど。

IL-23(インターロイキン23)阻害薬

  • 機序: 炎症の連鎖を引き起こす「おおもとのスイッチ」である「IL-23」をブロックします。
  • 特徴: おおもとを止めるため効果が長く続き、注射の回数(投与間隔)を2〜3ヶ月に1回と減らせるメリットがあります。
  • 10年前との違い: 当時は存在しなかった、あるいは治験段階だった非常に新しいカテゴリー。高い安全性と効果の持続性から、現在の主流になりつつあります。
  • 代表薬: スキリージ、トレムフィア、ルミセフ(※一部)、ステラーラなど。

【医師の処方意図】なぜこの薬が出たのか?

処方箋の行間を読み解くトレーニングです。

  • 「ドボベット」が1本だけ出た:
    • 「まずは外用だけでしっかり叩きましょう」という意図。
    • 1日1回で良いので、アドヒアランス(継続率)を重視。
  • 「ドボベット」と「オキサロール」が混在:
    • 「平日は強い配合剤、週末はステロイド抜きのVD3単剤で」という、副作用を避けるステップダウン療法の可能性があります。
  • 「オテズラ・スターターパック」が出た:
    • 初めてオテズラを飲む患者さんです。
    • 最初の6日間は少量から段階的に増量する
    • 副作用の「吐き気」を抑えるための特殊なパッケージ。

【服薬指導・生活上の注意】ママ薬剤師の腕の見せ所!

働いている薬局では新患さんでも、長く患っている可能性もあります。

長々と説明する前に、処方された薬の使用経験があるか、使用方法は大丈夫か?など確認しておきましょう。

塗り方の極意「ティッシュがつくまで」

  • 指導のコツ:
    • 「薄く伸ばして」はNG。
    • 「たっぷり置いて、ティッシュがペタッとくっつくくらい」が正解。
  • 1FTUの再確認:
    • 人差し指の先から第一関節までの量(約0.5g)で、手のひら2枚分を塗る。

「Koebner(ケブネル)現象」を教える

  • 指導のコツ:
    • 乾癬は、皮膚への刺激(傷、摩擦、眼鏡の跡など)から新しい湿疹が生まれる特性あり。
  • 一言アドバイス:
    • 「体を洗う時はナイロンタオルでゴシゴシせず、手で泡立てて優しく洗ってくださいね。ベルトや下着の締め付けも、少し余裕を持たせると良いですよ。」

「メタボ」との付き合い方

  • 指導のコツ: 乾癬患者さんは心血管疾患のリスクが高いです。
  • 一言アドバイス:
    • 「この病気は内科的な健康とも繋がっています。体重が増えすぎたり、タバコが増えたりすると、お薬の効きが悪くなることもあるんです。無理のない範囲で生活習慣も整えていきましょう。」

皮膚科での薬局復帰におすすめの本

面接をクリアして、皮膚科に復職が決まったら、専門書でさらに詳しい知識を付けましょう。

書籍を使ったおすすめの勉強法は、簡単なものから先に読んでいくことです。

読む順番は

  1. 一般向けの簡単なもの
  2. 薬剤師向けの本
  3. 医師向けの専門書

この順で読んでいくことで、次のように効率的に理解が進みます。

  1. 患者さんの不安や疑問、分かりやすい表現を知る
  2. 詳しい薬剤知識と服薬指導のポイントを頭に入れる
  3. 医師の処方意図や病院での処置について知る

皮膚科に関しては一般向けのおすすめはみつかりませんでした。

薬剤師向けから読み始めましょう。

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まとめ

【乾癬まとめ】10年前とここが違う!薬剤師のための復職支援ガイド
  1. 病態と最新の考え方(10年前との比較)
    • 全身性の炎症疾患: 以前は「皮膚だけの病気」とされていましたが、現在は全身の免疫異常(T細胞の暴走)による疾患と定義されています。
    • 合併症のリスク: 長引く炎症が血管や内臓に影響し、メタボリックシンドローム、糖尿病、心疾患、乾癬性関節炎を合併しやすいことが判明しました。
    • 「うつらない」の再認識: 社会的偏見が強いため、薬剤師が「感染しない」ことを明確に理解し、患者さんの心理的ケアに努めることが重要です。
  2. 現在の治療目標と指針
    • 目標は「PASI 100(完解)」: 10年前の「少し赤みが引けば良い」から、現在は「症状が全くないクリアな肌」を維持することが現実的なゴールです。
    • ピラミッド型治療: 外用療法 → 光線療法 → 内服療法 → 生物学的製剤へと、症状の重症度やQOLに応じてステップアップします。
  3. カテゴリー別:作用機序のポイント
    • ビタミンD3外用薬:
      • 細胞の増殖スピードを抑え、未熟な細胞を正しく成熟(分化)させて、きれいな皮膚の表面を作ります。
    • PDE4阻害薬(オテズラ):
      • 細胞内の炎症スイッチを司る酵素(PDE4)をブロックして、炎症物質の産生を抑え、抑制物質を増やすことで「細胞内のバランス」を整えます。
    • TYK2阻害薬(ソーティクツ):
      • 10年前にはなかったJAKファミリーへの作用。炎症命令を伝えるスイッチ(TYK2)をオフにし、皮膚の赤みや盛り上がりの命令ルートを遮断します。
    • 免疫抑制薬(ネオーラル等):
      • 炎症の司令塔である「T細胞」の活性を強力に抑え、広範囲の炎症を一気に鎮めます。
    • 生物学的製剤:
      • 乾癬の真の原因である特定のタンパク質(IL-17やIL-23など)をピンポイントで狙い撃ちし、免疫全体を落とさずに炎症を止めます。
  4. 処方される薬と監査・調剤の重要点
    • 配合剤が主流(ドボベット、マーデュオックス):
      • 10年前は「ステロイドとVD3の別々塗り」でしたが、現在は「1本で1日1回」。効果が高く、患者さんの手間も減りました。
    • オテズラ(内服):
      • 初期の吐き気・下痢が特徴。
      • 少量から始める「スターターパック」の処方が多い(副作用を抑える)ため、飲み方のステップを丁寧に確認します。
    • メソトレキセート(内服):
      • 乾癬にも使われます。
      • 「週1回」の服用ルールを絶対に間違えないよう、カレンダーチェックが必要です。
    • 生物学的製剤(自己注射)
      • 自宅で打てるペン型が普及。
      • 非常に高価なため、高額療養費制度への理解と案内が信頼に繋がります。
  5. 医師の処方意図を読み解く
    • 配合剤の1日1回指示:
      • 「面倒な塗り分けをなくし、まずは毎日確実に塗ってもらうこと」を最優先しています。
    • ステロイド抜きのVD3単剤への切り替え:
      • 症状が落ち着いた後のステップダウン療法。
      • 副作用を防ぎつつ、良い状態を維持する意図があります。
  6. 服薬指導と生活上の注意
    • 塗り方のコツ:
      • 「薄く伸ばす」ではなく「厚く置く」
      • 塗った後にティッシュがペタッとくっつくくらいが適量(1FTUの意識)です。
    • ケブネル現象の防止:
      • 摩擦や傷から新しい乾癬ができるため、ナイロンタオルでの洗体や、眼鏡・ベルトの過度な圧迫を避けるよう伝えます。
    • メタボ対策の推奨:
      • 肥満や喫煙は薬の効きを悪くし、合併症のリスクを上げます。「内科的な健康も肌に直結します」と優しくアドバイスします。
  7. ママ薬剤師が押さえるべき「10年前との違い」決定版
    • 塗り薬: 重ね塗りから「配合剤1日1回」へ進化。
    • 飲み薬: 副作用の多い古い薬から、副作用の管理がしやすい新薬(オテズラ等)へシフト。
    • 注射薬: 入院治療から、自宅で自分で打てる「自己注射」へ。
    • 患者への言葉かけ: 「一生付き合う病気」ではなく、「最新の薬を使えば、きれいな肌に戻れる病気」へと希望を込めて話す。

処方薬剤の早見表

外用薬↓

薬剤名
(商品名)
成分
(ステロイド+VD3)
ランク特徴・監査ポイント
ドボベットベタメタゾン +
カルシポトリオール
Ⅱ群 (VS)現在のゴールドスタンダード。
1日1回でOK。週90g以内
ゲル、軟膏、フォームがある。
顔には使えない
副作用注意(VD共通)
高カルシウム血症
急性腎障害
マーデュオックスベタメタゾン +
マキサカルシトール
Ⅱ群 (VS)ドボベットと並ぶ配合剤。
1日1回。
オキサロールマキサカルシトール
単剤
VD3単剤ステロイドを休む期間(休薬)
によく使われる。
1日2回
魚鱗癬、
掌蹠角化症、膿疱症にも
ドボネックスカルシポトリオールVD3単剤1日2回。顔面は非適応
ボンアルファハイタカルシトールVD3単剤1日1回
ボンアルファタカルシトールVD3単剤1日2回
魚鱗癬、
掌蹠角化症、膿疱症などにも

内服薬↓

薬剤名
(商品名)
薬効分類標準的な用法用量10年前との違い・監査
オテズラPDE4阻害薬1回30mg
1日2回
2016年発売の革命児。
従来の薬(ネオーラル等)より
副作用が少なく使いやすい。
初期の吐き気に注意。
ソーティクツTYK2阻害薬1回6mg
1日1回
2022年発売。
非常に強力な新しい内服薬。
ネオーラル免疫抑制薬体重あたりで算出10年前からの定番。
血圧上昇や腎機能チェックが必須。
メソトレキセート免疫抑制薬週1回(休薬期間あり)抗がん剤としても使う。
「週1回」の監査を絶対に間違えない!
チガソンVA誘導体1日10〜25mg
(食後)
【要注意】
以前より頻度は減った。
重症例に使用。
厳格な避妊(女2年・男6ヶ月)と
献血禁止が必須。

自己注射製剤

【IL-17 阻害薬】↓

薬剤名(商品名)用法・
用量(維持期)
処方監査・服薬指導のポイント
コセンティクス
(セクキヌマブ)
1回300mgを
4週に1回
【監査】導入期(初回〜4週目)は毎週打つため、
維持期への切り替え時期を確認。
300mgは150mgペン2本の場合がある。
トルツ
(イキセキヌマブ)
1回80mgを
4週に1回
【指導】注射部位反応(赤み・痛み)が比較的出やすい。
保冷バッグでの持ち帰りと、
打つ30分前に冷蔵庫から出すことを徹底。
ルミセフ
(ブロダルマブ)
1回210mgを
2週に1回
【監査】他のIL-17阻害薬より間隔が短い(2週に1回)ため、
日数計算に注意。
稀に気分の落ち込みが出るためメンタル面も確認。
ビンゼレックス
(ビメキズマブ)
1回160mgを
4週に1回
*最新情報】**2022年発売。
IL-17Aだけでなく17Fもブロックする強力な新薬。
口腔カンジダ症(口の中の白斑)の副作用をチェッ

【IL-23 阻害薬】↓

薬剤名
(商品名)
用法・
用量(維持期)
処方監査・服薬指導のポイント
トレムフィア
(グセルクマブ)
1回100mgを
8週に1回
【監査】2ヶ月に1回という間隔を
間違えていないか。
非常に安全性が高いとされる。
スキリージ
(リサンキズマブ)
1回150mgを
12週に1回
【指導】年4回の注射で済むため、
打ち忘れに注意(アプリ等の活用を)。
現在は150mgを1本で打てる。

【TNF-α 阻害薬・その他】↓

薬剤名(商品名)ターゲット用法・
用量(維持期)
監査・指導のポイント
ヒュミラ
(アダリムマブ)
TNF-α2週に1回【監査】最も歴史が長く、
バイオシミラー(後続品)も出ている。
処方箋がBS(バイオシミラー)か先発品か要確認。
ステラーラ
(ウステキヌマブ)
IL-12/2312週に1回【監査】体重が100kgを超える場合は
用量が倍(90mg)になるため、体重を確認。

いかがでしたか?

乾癬は処方を受けることは多くはないですが、悩んでいる患者さんが多いです。

概要をさっと理解できれば、皮膚科に勤務した際にブランクも感じにくく服薬指導できるようになりますね。

次回は

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