こんにちは、マイナンバーカードのゴリ押しで保険証廃止しようとしてる政府に怒りしか感じない、みのりママです。
「10年もブランクあって、仕事についていけるかなぁ…」
「調剤報酬改定とか調べても、最近との違いしか分からん!10年前と比べてどうなのよ?」
こんなお悩みはありませんか?
分かります!不安ですよね、復帰したところでやっていけるのかと思うと復職活動も積極的に進められないですよね。
でも大丈夫!調剤業務の本質は何も変わっていません!
「薬を正確に調剤して、しっかり服薬指導する」これは今も同じです。
とはいえ、混乱せずに仕事をするために覚えておいた方がいいポイントもあります。
この記事では、ブランク10年のママ薬剤師さんが抑えておくべき今の調剤業務のポイントを7つにまとめました。
これを読めば、自信を持って調剤業務に臨めますので、ガツガツ復職活動進めちゃってください!
長いので、良ければこちらからもどうぞ↓
10年前はどうだった…?
私の10年前の業務の記憶と言えば、
- 処方箋は手持ちか、FAXでお薬手帳はシールを貼って出す
- 処方箋を二次元コードで読み込んで入力
- 薬歴は処方箋の裏に書いて、スキャン画像で残す
- 不明なところは薬の箱の中の添付文書で確認
- 後発医薬品がある処方が来たら、いちいち患者さんに確認する
こんな感じでした。
勤務していた薬局によると思いますが、チェーン薬局だとこんな感じだと思います。
その時から調剤報酬としては色々変わってはいますが、点数や加算の云々は薬局のルールに従えば大丈夫です。
私が体験をして、実際に仕事する上で「これだけ覚えておけばいい」と思ったことを紹介します。
一般名処方ってどうなった?
処方箋にのっている薬剤は、今や一般名(成分名)になっていることが殆どです。
私が現役の2012年ごろは、あまり見かけなかったんです。
10年経って一般名処方の割合は52.8%(令和4年度厚生労働省調査)と増え、先発薬品名や後発薬の「変更不可」の割合は3.9%、0.4%だそうです。
今勤めている薬局は初診アンケートで「後発品があれば後発品で調剤してよい」に〇をしたら、その後は普通に後発品で出しています。
昔は商品名を必死で覚えましたが、これからは成分名中心で復習してください。
分割調剤って何?どうやるの?
2016年の改定で出てきた「分割調剤」とは、長期の処方で「薬剤師のサポート必要!」と判断されれば、その医師の指示で最大3回分の処方せんが発行される調剤の事です。
そんなに頻繁に見るものじゃないですが、時給で働く薬剤師の立場から言いますと……
「とにかく仕事が増える処方せん」です。マジで。
長期保存が難しい薬剤や、ちょっとだけジェネリック試したい患者さんに薬剤師の判断で今までも可能だったらしいですが、ほとんど見かけませんでした。
そのくらいレアです。
とは言え、来ないとは言い切れないので簡単にでもやり方は覚えておきましょう。
簡単に覚えるために、図にしてみました。
今までもあった分割調剤についてはこちらです。
どのタイプの分割調剤でも、保険点数はそれぞれ通常の調剤一回分を分割回数で割ったもの、しか取れないです。
……どうりで薬剤師判断での分割調剤をほとんど見ないはずですね。報酬変わらんのに、手間がすごい!!!
とりあえずは図を頭に入れとけば大丈夫なので是非覚えてください。
オンライン処方と電子処方箋の使い方!
コロナ以降システム化が進んできたオンライン診療での処方が、「オンライン処方」です。
今までは患者さんが紙の処方箋を受け取って、直接持参(先にFAXすることはあっても)しないといけませんでした。
大体このような流れになります。
- オンラインで処方された「電子処方箋」がWEB上のクラウド「電子処方箋管理サービス」に登録される。
- 登録後、交付される引換番号を患者に通知
- マイナンバーカードか、保険証と引き換え番号、を薬局に提示
- 薬局が「電子処方箋管理サービス」で電子処方箋にアクセス
- 調剤
- 調剤結果や医師への情報提供を登録
オンライン診療で、自宅で薬を受け取りたい患者さんには便利かもしれませんが……
働く方としては……め、面倒くさい!!!
「過去の処方・調剤情報が確認でき、疑義照会も登録できる」とは言え、実際は外来診察も薬局もモニターの前にずっといられるような状況ではありません。
疑義照会には電話が一番早いですし、お薬手帳確認できればイチイチパソコン調べる手間もありません。
なんていうか……服薬指導の時にモニターしか頼りにならないのは、すごく心もとないんですよね。
マイナンバーカード情報が150万も中国に流れてたとかニュースもありましたし、セキュリティも信頼できない。
結局マイナンバーカードゴリ押しと政治家の関連企業に儲けさせるのが目的だったとしか思えません。
いずれにしても、基本的には紙の処方箋の調剤とやることは同じです。
あとは薬局が対応しているかどうかで、そこのマニュアルに従うだけなので、面接や見学の時に聞いてみてください。
電子薬歴と電子版お薬手帳
10年前は処方箋の裏に薬歴をメモして、スキャンしてSOAP部分を画像データとして取り込んでいました。
電子薬歴とは、パソコンやタブレットで直接データ入力する薬歴です。
今じゃ導入している薬局は80パー越えです。
ですが……薬局によっては、投薬場所にPCやタブレットがあるとは限らなかったり、そもそも患者さんと話しながら入力するのは無理じゃ…?な感じです。
結局、服薬指導前にチェック→指導後に入力することになるので、特別便利になった感じはありませんでしたね、私は。
あ!でも、昔は紙だった添付文書が処方データからワンクリックですぐ見られて、相互作用のチェックも確実にできる点は良いです!
電子版お薬手帳は、加算をとるには条件があるので、メインでやっている薬局は多くはないと思います。
- スマホのアプリで管理する(大手はeお薬手帳3.0、お薬手帳プラス、EPARKお薬手帳など)
- データはクラウド保存される
- 利用は無料、通信料は負担
- 薬局ではお薬手帳QR読み取りアプリでお薬手帳データを読み取って使う
- 薬の情報はQRコードや手動で入力、薬局によっては自動送信も可能
- アプリによって血圧血糖値など健康データ記録や、飲み忘れ防止アラームなどの機能もある
- マイナポータルとの連携で予防接種情報や、特定検診結果なども紐づけ可能
- そもそも対応していない薬局がある
- 薬局によって推奨するアプリが違う
このぐらいを覚えておけば大丈夫です。
あとは、勤める薬局のマニュアルに沿っていけばいいので、面接時に聞いてみるのをおすすめします。
私もたまに見ますが、やっぱり紙の手帳の方が楽です。
薬局内で患者さんの手帳を取り違えてしまったり、紛失する可能性がなくなるのはメリットですね。
かかりつけ薬剤師って何するの?
かかりつけ薬剤師の仕事は、はっきり言って重いです。
パートで働く薬剤師には出来ないと思いますし、私はやりたくは、ないです。
どんな仕事かと言うと
- 服薬情報の管理(残薬・重複投与・相互作用・副作用など)
- 夜間休日も!24時間体制の相談対応
- 在宅医療で患者宅訪問
- 医療機関との連携
- 地域医療推進
ハードですよね。
これをすると、「かかりつけ薬剤師包括管理料」を算定できるんですが、この要件が厳しい!!
- 3年以上の薬局薬剤師勤務経験
- 同一薬局に週32時間以上勤務(育児介護で時短はアリと記載なんで、おそらく正社員)
- 1年以上継続して、その薬局に在籍
- 認定薬剤師資格が必須
- 地域行政や医療関係団体が主催する講演会への参加や、地域で多職種が連携して行う研修会への参加
いや……昔ながらの地域薬局のオーナー薬剤師じゃないと、無理でしょコレ。
患者さんにとっては近所の薬剤師さんがフルサポートって感じで安心ですが、パートで働くママ薬剤師には無縁だと思います。
トレーシングレポートって?
トレーシングレポートとは「服薬情報提供書」といい、患者の情報を処方医に共有するものです。
私は転職コンサルタントに「トレーシングレポートの経験があるか?」と聞かれて知りました。
要するに、残薬や副作用の疑いのある体調変化などを処方医に伝えて、残薬の調整や処方提案につなげます。
「服薬情報等提供料」が加算できます。
昔から医療機関の求めがあった時にあったようなんですが、薬剤師が必要と認めた場合(患者の同意は必要)にも認められるようになったそうです。
内容はというと、ひな形はこんな感じです↓
引用:厚生労働省
ですが、どこの薬局でも頻繁に行うようなものではないです。
今私が働いているところでは、まだ見たことありません。
作る可能性があるのは、大きな病院からの重い処方の患者さんや、在宅や施設で残薬がある患者の場合です。
大きな病院の場合は、薬剤部を通すのが慣例なので、病院薬剤部が周辺薬局と連携して様式や手順を決めていることが多いので、問い合わせ必須です。
病院の薬剤部や薬剤師会などでも、ひな形をダウンロードできますのでそれを使うのが普通ですね。
……が、基本は重い処方や在宅訪問は、常勤の薬剤師が担当します。
小さなクリニックの門前薬局などでは、ほぼ見ないです。前もって心配することはないと思います。
こんなものだ、と知っておいて、書く必要があった時のために、しっかり勉強しておけば大丈夫です。
マイナ保険証はどう使う?どう思う?
マイナ保険証については、ざっとこんな感じです。
- マイナンバーカードを保険証として使うには、登録が必要
- 登録は病院や薬局のカードリーダー、自治体の窓口、マイナポータルで出来る
- 本人確認は顔認証か、暗証番号で行う
- 同意があれば、過去の手術・診察・薬や特定検診の情報を共有できる(24時間限定)
2023年あたりまで、申請すれば薬局には1台無償でカードリーダーが設置できたので、普通の薬局にはありますね。
私はそもそもマイナンバーカードに反対です。
メリットを無理やり考えるとすると
- 保険証を長時間預けなくてすむ
- オンライン診療時に自宅で薬の受け取りまでできる
- 高額療養費制度を利用している人は、限度額を超える支払いをしなくていい
- 転職や改姓などでも関係なく、使い続けられる
厚生労働省や薬剤師会が主張する他のメリットは
- 重複投与や併用禁忌薬などが避けられる(お薬手帳や問診アンケートで十分では?)
- 初診料が20円、再診料が10円安くなる(大した額じゃない上に、紙の保険証の人にデメリット与えようとする姿勢がさぁ……)
- 確定申告の医療費控除がマイナポータルで簡単に!(セキュリティどうなってんのよ、信頼できねぇよ……)
と、まあ、大したことはないと思います。
そもそも反対の声が大きいのに、紙の保険証を廃止してマイナンバーカードを実質的に強制しようとしてる政府が信用できません。
「メリット4の転職・改姓でも使える」は、本人の同意なく(そういう法律にされてる!)保険組合がマイナンバーと保険情報を紐づけてるからですし。
なりすましや他人名義の銀行口座や借金まで可能になる、あのマイナンバーを!
公務員でもない、どこの誰とも知れない他人が見て、しかも手入力で!
本人の同意も確認もなく紐づけ!
紐づけミスで、保険に入ってるのに10割負担になっても補償なし!
え……許せなくない?ナニコレ。
実際、マイナ保険証読み取れない患者さんは何人もいました。紙の保険証持ってて何とかなりました。
私はギリギリまで使いません。患者さんにもお勧めはしません。
コロナ以降、個人的に国も厚労省も医師会も薬剤師会も製薬会社も、その言い分を頭から信用してはいけないと思っています。
まとめ
ブランク10年薬剤師が覚えておくべき、最新薬局事情はこんな感じです。
- 一般名処方
今の処方箋は過半数で一般名処方。復習するなら成分名重視でするべき。 - 分割調剤
医師の指示で最大3回分の処方せんが発行される調剤。仕事が増えがち。
【流れ】
全ての処方せん受け取り
→1回目調剤
→2回目以降の処方箋返却
→2回目以降の調剤
→処方医に服薬情報等提供
→すべての処方箋回収 - 「電子処方箋」とは、オンライン診療でオンライン処方される処方箋
【流れ】
「電子処方箋」がWEB上の「電子処方箋管理サービス」に登録される。
→引換番号が患者に通知される
→マイナンバーカードか、保険証と引き換え番号、を薬局で提示
→薬局は「電子処方箋管理サービス」で電子処方箋にアクセスして調剤
→調剤結果や医師への情報提供を登録
※全ての病院や薬局が対応しているわけではない - 電子薬歴とは、直接PCやタブレットでデータ入力する薬歴。導入薬局は80パー以上。
電子版お薬手帳とはクラウド上にデータ保存するスマホアプリ
お薬手帳QR読み取りアプリでお薬手帳データを読み取って使う
薬の情報はQRコードや手動で入力、薬局によっては自動送信も可能
対応していない薬局がある。薬局によって推奨するアプリが違う - かかりつけ薬剤師の仕事は
服薬情報の管理、24時間相談対応、在宅患者訪問、医療機関と連携、地域医療推進
【かかりつけ薬剤師の要件】
3年以上薬局薬勤務(1年以上継続して、その薬局に在籍)
週32時間以上勤務(おそらく正社員)
認定薬剤師資格が必須
講演会や研修会への参加 - トレーシングレポートとは「服薬情報提供書」といい、患者の情報を処方医に共有する物。
残薬や副作用の疑いなどを処方医に伝えて、処方提案につなげる。
「服薬情報等提供料」が加算できる。
薬剤師が必要と認めた場合(患者の同意は必要)にも認められるようになった。
各薬剤師会や病院に、推奨されるひな形もある。 - マイナ保険証とは
マイナンバーカードに前もって登録が必要
登録は病院や薬局のカードリーダー、自治体の窓口、マイナポータルで出来る
本人確認は顔認証か、暗証番号で行う
同意があれば、過去の手術・診察・薬や特定検診の情報を共有できる(24時間限定)
※個人的には、登録も使用もおすすめしたくない。
これだけ知っておいて、地道に復習していけば大丈夫です。
安心してガツガツ復職活動をして脱ブランクしてしまいましょう!