こんにちは、みのりママです。
ちょっと前からニュースで「マンジャロをSNSで転売して逮捕」とか「美容ダイエット目的の不適切使用」っていう不穏なワード、よく目にしましたよね。
画面を見ながら「危ないダイエットやってる人がいるなぁ…患者が転売してるのか?」なんて他人事に思っていたのですが、調べてみたらまさかの…普通に医師が保険で処方⁈
しかも最近ではオンラインクリニックなどの自由診療で、医師がダイエット目的の人に普通に自費処方してるケースもあるんです……。
美容系の医師の倫理観というかコンプラ意識どうなってんの…?
正直、「いやいや、糖尿病でもない人に処方してるその医者を先に取り締まってよ!」って思います。
とはいえ、もし明日「ダイエット目的のマンジャロの処方箋」を持った患者さんが来たらどうしますか?
薬剤師としてどう対応するのが正解なのか、パニックになりますよね。
そこで今回はおさらい帳の番外編として、今大注目のマンジャロ不適切使用の背景と、薬局に処方箋が来たときのリアルな対応シミレーションをサクッとまとめてみました!
患者さんから「あのニュースってどうなの?」と聞かれることもあるので、世間話のネタとしても読んでみてくれると嬉しいです。
なぜ今、こんなに話題なの?「やせ薬」ブームの裏側
なぜここまでこの薬が世間に広がってしまったのか、その背景を2つの視点からチェックしてみます。
「マンションの一室でバイト医が処方!?」オンライン診療の闇
ネットで「マンジャロ 購入」と検索すると、大量のクリニックがヒットします。
しかもトップには大金を出して出稿されたスポンサー広告がずらり……。
儲けにならなきゃこんなことやらないですよね。
コロナ禍以降オンライン診療が普及したおかげで、今やスマホのビデオ通話だけで後から薬が郵送されてくる便利な時代です。
そんなオンライン診療の自費診療の分野では、保険では通らないような無茶な処方がまかり通っています。
副作用が危険になりそうな組み合わせや、エビデンスの乏しい無駄な薬のオンパレード。
医師免許さえあれば誰でも処方できて利益率が高いため、経営難のクリニックや、医療従事者ではない経営者の格好の収入源になっているようです。

薄毛治療のクリニックの処方例なんか見ると、
これじゃ血圧下がりすぎて危ないのでは?!みたいな、保険診療のガイドラインでは推奨されないような処方があるので、ぞっとしますよ。
3〜4人に1人が使っている!?特定コミュニティでの蔓延と転売
さらに深刻なのが、細さを競い合う特定のコミュニティにおける大蔓延だそうです。
ある現役キャバクラ嬢の感覚では、業界の「3〜4人に1人」はマンジャロの使用経験があるのではないかというほど、身近な「ダイエット商品」として扱われているようで…。

この流行り方どうも怪しいんですよね…
ダイエット界隈に流行作って儲けよう!って悪い人が、最初から裏にいるのでは?って気がします。
一般の人が「何か楽に痩せる薬ないかなぁ…」と思って、マンジャロにたどり着かないでしょ。
知らない人の方が多いですよね、糖尿病薬が体重減少につながるなんて。
作用機序を知っていて金もうけしか考えてない誰かが、売り込んだとしか思えない…。
ダイエット系インフルエンサーが案件持ち込まれて断ったって投稿も見たことありますし。
そんな中であったのが、2026年6月の大阪府警による薬機法違反(無許可販売・転売目的保管)での男女3人の書類送検されたというあのニュースです。
読売新聞(2026年6月2日)の報道によると、容疑者の大学生らは「普通の病院で公的医療保険(3割負担など)を使って医師から処方してもらい、その余りをSNSで転売していた」そうです!

糖尿病じゃないのに、レセプト上糖尿病ってことにして処方したってこと…?
医師も責任を問われるべきでは?って思いますね(怒)
そしてその薬をメルカリ感覚でお小遣い稼ぎに売る人が出ると…。(今は削除対象みたいです)
こんなイカレタ連中のせいで、本来この薬を必要としている「糖尿病患者さん」への供給が不足するという、最悪な状況になっています。
知っておくべきマンジャロのスペックと「一生やめられない」メカニズム
私たち薬剤師から言わせれば、何というか…もう、脱力するくらい阿呆にしか思えませんよね。
「魔法のやせ薬」なんかそもそも存在しないし、マンジャロはリスクの高い劇薬です。
ここで、ブランク薬剤師さん向けにマンジャロの作用をザっと復習しておきましょう。
脳にブレーキをかけ、胃を止める仕組み
2型糖尿病治療薬マンジャロ(チルゼパチド)は世界初の「GIP/GLP-1受容体作動薬」です。
2023年4月に日本での発売が開始され、2024年に長期処方が解禁になりました。
注射薬ですがインスリンではなく、週一回のペン型の自己注射剤です。

GLP-1の作用は何やかんやと全身で色々あります。
国試を受けるわけでもないので「食欲や消化吸収をおさえて、代謝を促進しつつ血糖値を安定させる」みたいな感じのざっくり認識でいいと思います
主な副作用として、激しい吐き気、嘔吐、ゲップや口臭(胃に食べ物が留まるため)、強い倦怠感が挙げられます。
さらに重篤な合併症として、急性膵炎や腸閉塞、胆嚢炎のリスク、精神面での不眠やうつ症状まで警告されています。
「耐性」と「脳の暴走」による過酷な急速リバウンド
本当に怖いのは、使い続けると体に「耐性」ができて効かなくなり、投与量がどんどん増える悪循環に陥る点です。
薬を突然やめると、それまで抑えられていた脳の食欲中枢のブレーキが外れ、猛烈な飢餓感に襲われます。
データでは「中止した人の6割が1年以内に元の体型に戻る」とされており、普通のダイエットより遥かに早いスピードでリバウンドするようです。
筋肉減少で「太りやすく痩せにくい体」へ、そして将来の不妊・骨折リスク
極端なマイナスカロリーによって脂肪ではなく「筋肉」がごっそり落ちるため、基礎代謝がガタ落ちして「前より太りやすく痩せにくい体」に変貌します。
また、健康な若い女性がさらに痩せようと過剰投与すると、月経停止から将来の不妊リスクが跳ね上がります。
さらに高齢になったときに自分の体重を支えられず、将来、腰がひどく曲がった状態になってしまうという専門医の怖いデータもあるのです。
実際の使用者の生々しい体験談
動画などの体験談(アベプラ等)では、リアルな失敗談が多数報告されています。
キャバクラ嬢Aさん:「10キロ痩せたけど、周りの子はどんどん薬の量を増やしていて副作用も強くなっている。これ以上レベルを上げるのは怖い」
過食嘔吐から手を出したBさん:「効かなくなって自己判断で多めに打ったら、激しい拒絶反応(迷走神経反射)で倒れそうになり、死ぬかと思って中止した」
さらに恐ろしいのは精神的な依存です。
運動や食事管理を一切せずに簡単に痩せてしまった人は、「薬をやめたら、一瞬で戻ってしまうのではないか」という強迫観念に縛られ、薬から抜け出せなくなってしまうそうです。

こんなのもう麻薬みたいなもんですね、恐ろしい…
広告クリックしてみると、がっくり力が抜けちゃうくらい嘆かわしいですよ。。
じゃあ、薬局にマンジャロの処方箋が来たらどうする?
ブランク薬剤師として一番ハラハラするのが、自分の薬局にこのマンジャロの処方箋が来たらどうしよう……ということですよね。
まず大前提として、マンジャロを処方するようなオンラインクリニックは「診察・薬代・配送料」がすべてセットになった自費の院内物販ビジネスです。
わざわざ紙の処方箋を発行して街の薬局に回してくることはほぼありません(儲けが減るから)。
ですが、街の薬局にいる私たちが警戒すべき、次の「3つのパターン」があります。
もし処方が来たらどうするか、私の本音の対策と一緒にチェックしていきましょう!
保険処方で持ち込まれ、患者も「糖尿病」と偽る
- 実態: クリニックがレセプト(保険の病名)を偽装し、患者も口を割らないケースです。
- 対応: 形式上は完璧な保険処方箋なので、義務である病名確認や併用薬チェックをして普通に流すしかありません。患者が嘘を突き通すなら、正直すり抜けてしまいます。
保険処方で持ち込まれ、患者が「ダイエット目的」と開き直る
- 実態: 一番タチが悪い。服薬指導で「私、糖尿病じゃないですよ。ダイエット用です」と暴露されるケース。
- 対応: 暴露された以上、スルーして調剤すると薬局側も違法行為(保険詐欺)に加担したことになります。
- 私は拒否したい!:
- すぐに調剤室へ下がり、薬局長に確認した上で、その場で「当薬局では受付できません」と処方箋をお返しして終了でOKです!
- 「大変申し訳ありませんが、こちらは保険(3割負担など)の処方箋です。患者様が糖尿病ではない場合、このまま調剤すると健康保険法違反(不正請求)になってしまうため、当薬局では受付自体ができません。処方元のクリニックにご相談ください」
- もし「じゃあ自費で出して!」と粘られたら、後半で紹介する「在庫なし作戦」へスライドしましょう。
患者に頼まれるまま、医師が最初から「自費処方箋」を出した
- 実態: 地域のクリニック等で「自費(10割)なら文句ないだろ」と、安易に紙の自費処方箋を発行して薬局に丸投げしてくるケース。
- 私は拒否したい!:
- そもそも普通の調剤薬局にはマンジャロの「自費の価格(卸値)」なんて設定されていないことがほとんど。
- まずは「全額自費なので目玉が飛び出るほど高くなりますよ(数万円単位)」と金額の壁で牽制します。
「不適切使用だから拒否したい!」…それ、合法的に拒否できます!
私たち薬剤師には「正当な理由がなければ調剤を拒否してはならない(応需義務)」という法律がありますが、今回のケースは堂々と拒否していい「正当な理由」にガッツリ該当します。
だって、厚生労働省も、日本医師会も、製造販売元のメーカー(日本イーライリリー等)も、公式に「糖尿病以外の目的での使用(適応外使用)は厳に慎むこと」って強く注意喚起しているんですよ!?
国やメーカーがダメって言ってるんです。
ポリシーに反する不適切使用に、私たちが加担する必要なんて1ミリもありません。
現場で突っぱねるための「3つの理由」がこちらです。
これで100%合法的に、1ミリの罪悪感もなくお引き取り願うことができます。
参考
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 添付文書情報
- マンジャロ(チルゼパチド)適正使用のお願い|日本イーライリリー株式会社(医療関係者向け)
- GLP-1受容体作動薬等の適正使用についての通知(厚生労働省)
- 時事通信社会部2026年06月02日「糖尿病薬を無許可販売容疑 「マンジャロ」、3人書類送検―大阪府警」
- 一般社団法人くすりの適正使用協議会 くすりのしおり
- 内科糖尿病内科つねだクリニック「マンジャロの効果と副作用とは?糖尿病治療薬が注目される理由と医師の見解」
- 【公式】新シンクピー 「【肥満症専門医が話す】マンジャロで危惧される本当の怖さ…そして肥満症を知ってほしい。 」
- 高須幹弥(高須クリニック) 「【依存】マンジャロをやめられない女性が増えている理由【耐性、リバウンド】 」
- ABEMA Prime 「【マンジャロ】糖尿病薬でダイエット…なぜ処方できる?広告禁止すべき?高須幹弥と考える|アベプラ 」
- ドクターA(麻生泰)「 医者がマンジャロを「現代の乱用薬物」と呼ぶ理由 」
最後に:納得いかないなら「薬局長に丸投げ」でOK!
いろいろと対策を書きましたが、私の本音を言わせてください。

国もメーカーもダメって言ってる!不適切な処方は調剤しない!
もし、金額や在庫を理由に断っても患者が引き下がらず、医師も「自費でいいから出せ!」と引かない場合。
それでも「売り上げになるから自費でも出しちゃえよ」というコンプラ意識の低い薬局なら、もう私は知りません!
「私は調剤できないので、薬局長がやってください!!」
と言って、回ってきたバトンを上司に丸投げしちゃいましょう(笑)。
個人的には、そんな薬局やめちゃってもいいと思います。
自費の患者さんを前にして「どこまで突っ込んでいいの?」とハラハラすると思いますが、家庭がある私たちは「危ない橋は渡らない」が鉄則です。
変な処方箋が来たら、勇気を持って突っぱねるか、上の人間にパスして、明日からも清々しくお仕事をこなしていきましょう!

